あかんやつら 東映京都撮影所血風録/春日太一
写真が絶対にうまくなる 構図力養成講座/鈴木知子
マッキンゼーをつくった男 マービン・バウワー/エリザベス・イーダスハイム
- 作者: エリザベス・イーダスハイム,村井章子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/03/02
- メディア: 単行本
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- 株式公開すれば自身が巨万の富を得られたのに、ファームはクローズドであるべき、としてその機会を自ら閉じた。
- 最優秀な部下が、ちょっとした倫理違反をした際に、解雇を即断した。(周囲は唖然)
- 周囲から慰留されたにもかかわらず、64歳で退任。以降、現場に介入せず。
- ただし、80数歳になっても経営幹部会議に招かれるくらいの人望。そしてその会議でファームの収益性に関する議論を聞いていて遠慮がちに一言「プロフェッショナルファームの人間は、どうすれば収入を増やせるかを論じるべきではないと思う。ファームのディレクターやパートナーが論じるべき唯一の議題は、どうすればクライアントに良いサービスを提供できるか、ということだ。より良いサービスを提供できれば収入は増える。だが収入にこだわったらクライアントを失い、結局は収入を失う」
- サー・ロデリック・カーネギーの証言「マービンから教わったことの第一は、金儲けばかり考えるな、ということ。第二は、何をするにしても10年後にどうしたいかというビジョンを持って取り掛かること。第三は、新しい可能性につねに心を開いていることだ。」
一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 (集英社新書)/内田樹・中田考
一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 (集英社新書)
- 作者: 内田樹,中田考
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/02/14
- メディア: 新書
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「自分はもう、内田樹本*1は卒業か…」と勝手に思っていたのだが、この本で対談している中田考先生の存在を知って本書読んでみたくなった。
中田先生(今の肩書きは一イスラム教徒)。イスラム国に飛ぼうとした日本人学生を手引きした黒幕、とマスコミで報じられるわ、ツイッターで「カワユイ、カリフ道」を説いてるわ、灘高東大で学者になったのにそこから出奔してフリーになってるわ、とにかく既存の日本社会からは規格外の存在のようで、気になってしまったのだ。
本書、中田先生の展開する、イスラム論、イスラムの実態の部分は非常に面白かった。カリフ制再興を主張する理屈も良くわかった。「ハラール認証は神の大権に対する冒涜だと思う」というあたりは、確かに一神教の原則とすればそうだよなぁ、などと勉強になった。また、中田先生による指摘、「キリスト教は政教分離だと言われているが、西欧は厳密な意味で政教分離をしていない*2。それは世俗と宗教の分離であって、国家と教会の分離ではない」という節には「なるほど、こういう観点はイスラム教徒ならではだよな」と思った。
そもそも、ガチのイスラム教徒の人が書いたものをしっかり読んだのは(自分も色々な本を読んで来た方だが)初めてかもしれない。そういう意味でも良い読書だった。
内田先生は、いつも通り、非常に分かりやすい語り口の中に、数頁に一つ、非常に難解な熟語を混ぜて知性を「ちら見せ」する、内田文体。これ対談だから、あとでそういう風に操作しているのか、本当にこの単語を口頭で話してるのか、そこが気になった。あとは、やはり日本の政権や経済界に対する新自由主義の陰謀論を展開しちゃうところがあって、そこもいつも通りだった。
あと、どうでもいいことですが、対談の中で「だはは」という笑い声が使われてますが、これはプロインタビュアー吉田豪先生の発明がここまで伝播してきたってことでいいんでしょうか。
グルメの嘘/友里征耶
なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略/冨山和彦
メディアでの評判も高いようだが、私の信頼すべき知人の皆さんも複数が推薦していたので、「これは読まねば!」と思っていたのだが、少々遅くなってしまった。
読んでみると確かに、好評がよく分かる。素晴らしい考察だ。いつも思うことだが、頭の良い人の本を読むと、文章を読んでいるだけで気持ちが良くなる。
本書はG(グローバル)*1とL(ローカル)*2、という二つの企業モデルを提示することで、(私も含めて)皆が何となく感じている経済政策・経済言説に対するモヤモヤをスッキリと見通すことを可能にしてくれた。モデルの力、フレームワークの力を感じる。
私の専門分野は人事だが、「人事の世界でもGを前提とした言説がLに影響を及ぼして結果、ちょっとズレていることがあるよなぁ」とか「商売はGでも人事はLだったりするなぁ」とか「日本の義務教育って基本的にはLの人材を育てる仕組みであって、G人材を育てる仕組みは無いよなぁ」とか色々と思いながら読んだ。この辺りは真剣に整理して、今後の自分の仕事に活かして行く予定。大いに、触発された。
睡眠のはなし 快眠のためのヒント/内山真
- 作者: 内山真
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/01/24
- メディア: 新書
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どんな仕事をするにも、健康は重要。具体的には食事と睡眠と運動であり、それらについて科学的な知見を持つことはとても役に立つ。科学的な知見というところが大事で、ネットに溢れる俗説には気をつけなければならない。
本書はしっかりとした科学者が抑制的な筆致で「睡眠」に関して分かっていることを、トピックをコンパクトに区切って教えてくれる。この編集というか構成は多忙で読書時間を続けて長くとれない人には有り難かった。
色々理屈は分かったけれども、睡眠というのは「理屈」で考えすぎるのも良くない。本書を読んで色々睡眠を考えだしたら少し寝付きが悪くなってしまった。