FacebookなどSNSをめぐって(今の段階で考えたことの備忘録)
「一昔前は、その場その場によって、顔を使い分けられる人が、かっこいい大人だった。でも、今、それがかっこ良くない行為だと思う人達が出てきた。そういう人たちは、いつでもどこでも一貫していることの方がかっこいい、と考える」…最近の飲み会での会話より。
一人の人間は同時に複数のコミュニティ(佐々木俊尚「キュレーションの時代」の言葉を借りればビオトープ)に所属している。会社であったり、学生時代の友達であったり。そして、それぞれで微妙に違う顔を使い分けて生きている。
しかし、フェイスブック(FB)の中では、自分の実名というアイデンティティを軸に、それらが平板に統合されてしまう。友人のリスト化や公開範囲という機能を使いこなせば、ある程度複数の顔を使い分けることは可能らしいけれど、今は皆、そこまで使いこなせていないように見える。それに、機能の問題以前に、ネットで複数の顔を使い分けるのは面倒だ、というのが正直なところだ。
従って、FBの近況に書き込んだことは、会社の同僚にも、趣味の仲間にも、大学の同期にも、昔のクライアントにも、あるいは実の家族にも、等しくばらまかれることになる。だから、僕のような小心者は、なかなか思い切ったことを書きづらくなってしまう。「実名だから」という躊躇ではない。個別のビオトープに、同じ情報を投げ込んで良いものか、という疑問があるからだ。僕がかなりバラバラのビオトープに所属している、という特殊事情が関係しているかもしれない。フェイスブック上でもわりと一つのビオトープに所属していると、こういう悩みは少ない可能性もある。
一方で、ブログやツイッターは、一応「読みたい人だけが見に来る、登録してくれている」し、自分も「組織人事コンサルティング」という切り口を決めて発信しているので、(切り口に沿った発信をしてないじゃないか、というツッコミはさておき・・・)あまり気負わずに発信が出来る。
しかし、フェイスブック上で、友達承認をし合った人々は、別に私の仕事(あるいは特定の趣味)に興味がある人ばかりでもないので、そうした人々に私の(その人にとっての)別の顔を押し付けるのは、なんとなく悪い気もする。それとも、仕事とか趣味というレベルでなくもっと深層の「自分という人間」をさらけ出せば(笑)良いのだろうか?それもちょっと違う気もする。
グーグルが発表した新しいSNSは、この「顔」の使い分けを便利にする機能が充実していることを売りにしてきているようだ。果たしてどうなるのだろうか。
興味のつきない、楽しい時代ではある。
参考文献的なもの
最近、コミュニケーション、SNS、ネットワーク関係で読んだ本を挙げておきます。
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