ブログマネジメント

トヨタの豊田社長、リコール問題をブログで謝罪
3月17日10時31分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル

 【東京】トヨタ自動車豊田章男社長は自身のブログで、同社の大規模なリコール(回収・無償修理)に関連した問題について謝罪し、ドイツで行われる24時間耐久レースに出場しないことを明らかにした。

 「モリゾウ」というハンドルネームを持つ同社長は15日遅く、リコール問題が浮上して以来初のブログ更新を行った。同社長は、トヨタが顧客の声に耳を傾ける努力を怠ったのではないかという批判に対し、「真摯に受け止め、謙虚に反省し、誠実に対応していく」と述べた。

個人的には大変に興味深いニュースだ。

組織や人事の問題に携わっていると、経営トップの「想い」が伝わる、伝わらない、という議論によく直面する。大企業では特にそうだ。何層もの階層がトップの想いを歪めて伝えるという問題はよく指摘される。

一方でブログは、書き手と読み手がダイレクトにディスプレイを通じて繋がるので、組織の中での接触とはまた違った形で社員に想いを届けることができるツールとなる。

そうしたことから、サイバーエージェントの藤田社長はじめ、対外的なブログを意図的にインターナル(社内)向けのマネジメントツールとしても使う社長は増えている。しかし、まだまだ一部の動きに留まっていると言えるだろう。

もちろん、トヨタの社長の今回の記事は社内向けではなくて、対外的なステートメントではある。しかし、このクラスの規模の企業になると、従業員と経営トップの距離は極めて遠くならざるを得ない。多くの従業員がこの記事を見て、会社内の公式書類とは違った印象を受けたのではないかと思われる。

「トップと末端までの従業員がこうした形でダイレクトでつながること」が良いことなのかどうなのか、についてはまだまだ掘り下げて考えなければならない。特に日本の組織は、本当のトップは「容易にはよそ者に(あるいは末端の社員に)姿を見せない」ことでカリスマ性を維持するというケースもあり、それが上手くワークすることだってある。昔は天皇陛下の顔なんて誰も見ることが出来なかった。そういう伝統を考えると、「なかなか出てこない型トップ」が日本人的な心情には会うのかもしれないとも思う。トヨタのトップが敢えてこういう形えて(公聴会やブログで)直接メッセージを発するところを見ると、日本的企業の典型と思われがちなトヨタのトップは実はグローバルな方向へ移行しているのかもしれないな、とも思った。

http://gazoo.com/G-BLOG/Driver/index.aspx
↑現時点で300件近い熱い応援コメントが


余談ながら、モリゾウブログは投稿する前に、社内法務部やら広報部のチェックを受けているのでしょうか?少し気になります

余談

富士通コーポレートガバナンスの問題とかIBMの税金問題とか、最近、朝日新聞が先行してスクープするケースが続いている気がするが気のせいでしょうか。日経新聞は知っていて書くのを遅らせているのか?これらも興味深い問題ですが…