竹中平蔵氏が指摘する批判の三つのパターン


構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌

構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌

↑の本にあった内容で面白かったのでメモ。

P.227より要約。

  • 既得権に斬り込む改革をするから仕方ないこととは言え、とにかく就任以来、自分はずっと叩かれ続けた。批判されるまくる中で、批判をシニカルに観察すると三つのパターンがあることに気づいた。
  • 第一のパターン。とにかく反対の立場でものを言う。コントラリアン的批判。改革が遅ければ「遅い」と批判し、早ければ「拙速だ」という。金利が上がれば「中小企業が大変だ」、金利が下がれば「年金生活者が大変だ」という。
  • 第二のパターン。永遠の真理をかざして批判する。「もっと皆の意見をよく聞いて」「生活者の目線を考えていない」など。だからどうしろ、という議論が無い。
  • 第三のパターン。批判するパターンにレッテルを貼る。「竹中は市場原理主義だ」「小泉は経済が分かっていない」。印象操作に有効な手法。
  • いずれも対案が無いから、批判を受けても議論することができない。


確かに、こんな批判は多い。内田樹が「街場のメディア論」で指摘していたのは、いわゆる伝統的なメジャーマスコミは上のような批判しか出来ていないから、愛想をつかされ始めている、という事だったと思った。


自分も、こういう批判だけでいい気になることのないよう、自戒したい。


さて、竹中氏はこうした観察を元に、自分が攻撃サイドに転じた郵政選挙においては、民主党をコテンパンに批判し、自民党を大勝へと導いたと書いている。このあたりが只者ではない。