「知の衰退」からいかに脱出するか?そうだ!僕はユニークな生き方をしよう!!/大前研一




震災に続く原発問題論議に、思わぬ伏兵(大変失礼な表現!)として登場した大前研一氏。(マッキンゼーの前は日立の原子力技術者)


話題の解説動画を見るにつけ、「やっぱ、この人天才だわ」と感動したので、久しぶりに、大前氏の本を読む。


本書は、ひたすら日本に対する嘆き*1に満ちている。


彼は「日本人に対して大局論を説くことをもう諦めた」と断言している。「政治家には絶対ならない、比例1位という話もあったが全て断った」とも。

マッキンゼーの東京支社長の退職金の代わりに、東京都の再建プランプロジェクトを社内で組成し、その政策パッケージを元に、都知事選に立候補した、という逸話は初めて知った。あの時当選してれば良かったのに。

彼は天才過ぎた。日本社会という土壌は彼を活かしきれなかった。何とも、もったいない。




現代ビジネス人にとっての教養とは(それは「古典」じゃないよ・・)・・・という部分の議論は、ビジネス教育に携わる自分にとって特に勉強になった。



さて、震災後の日本に必要なのは大局観だ。

池田信夫氏が以前、ツイッターでつぶやいていた。

曰く、『「焼け跡」+「公職追放」があって初めて日本は変わる。今回は前者だけのようだから、あまり変わらんのでは…と。』

正直、僕も同感で、そう思えてならないが、大前氏のようなリーダーに思い切り暴れて欲しいという期待も捨てたくない。

*1:日本社会の弱点分析は、他の識者が指摘していることとほぼ同様。