コンサルティングとは何か/堀紘一
- 作者: 堀紘一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/04/26
- メディア: 新書
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最近、書店で偶然に、目に止まった一冊。今現在、コンサルタントである、あるいは、コンサルタントを使っている人は、かなり興味深く読める内容だと思う。
本書では、その実績にものを言わせた、歯に衣着せぬトークが炸裂する。
今まで貰ってきたコンサルティングフィーを堂々と掲載し、その事にについて色んな経営者(本書内では実名入り)から「高い!」と文句を言われた話とか、
「コンサルタントは究極的には才能だよ。努力してなれるもんでもないよ。ガハハ。(僕の要約、以下同じ)」とか、
「俺の得意の(コンサル)営業トーク、大公開」とか、
「ホンダ役員会での熱い思い出」とか、
「日本の銀行系子会社にコンサルは無理!!!な理由」とか、
時効だから?なのか、極めてざっくばらん(過ぎ)な内容。
基本的にハウツーの本ではないはずなのに、突然、プレゼン術、として、30分の持ち時間をを「山場」と「弛緩」に分単位で刻んで構成する術を披露してくれたり、サービス精神旺盛な著述も嬉しい。
一方で、
「俺は常に、コンサルフィーの10倍の利益創出を考えて提案している」
「顧客に嫌われることを恐れない」
「コンサルタント個人が自分の信念で、経営はこうあるべき、などと説くのは最低のこと」
など、僕も一コンサルとして、まじめに「勉強になるな…」と思うところもある。流石は巨匠である。
重ねて書くが、今、現在、コンサルティング業界に属している人(必ずしも「戦コン」でなくても)は、読んだら面白いと思う。
一方で、この本のことを相対化するだけの経験が無い学生や就活中の人が読むのはオススメできない*1。
余談ながら、僕は、昔(20代の頃)、この人の本を読むとなぜか腹が立ったものだが、最近はそういう気持ちが無くなった。自分が変わったのだろうか。
*1:多分、これが「絶対」みたいに感化されちゃうと思われ、そして、そのタイミングで感化されちゃうことは大多数の人にはあまり良い結果をもたらさない、と思うから