田辺聖子『おせい&カモカの昭和愛惜』



今、家では、三歳の息子の子育てをしており、仕事では、「管理職とは」「リーダーとは」というような事を探究している僕が、
今週とても強く

なるほど…」


と思ったことば。

<可愛げというのは、女よりも男に必要な徳目である。
 私はいつも不審なのだが、なぜ世の母親は男の子に立身出世ばかり叱咤して励まして、可愛げを教えないのであろう。

(中略)

天性、持てる可愛げも、玉磨かざれば光りなしで、母親は男の子のうちに、「女の子に可愛がられるような」愛らしい性質を発見してやり、それを伸ばしていくよう、育てるべきである。

 人生の幸福、という点からいうと、学歴よりそっちのほうがずんと比重が重い。>

田辺聖子『おせい&カモカの昭和愛惜』文春文庫)


友人からのさりげない紹介により知ることができた。


田辺聖子、普段自分が読まない領域*1なので、こういう紹介は本当にありがたい。




(参考)



大阪大学平成22年度卒業式 鷲田総長の式辞より  一部抜粋


リーダーシップについて論じ、なんとも深い味わいがあるなあと感心した言葉があります。それは、パナソニックの創業者、松下幸之助さんが自社の管理職員の前で話した言葉です。松下幸之助さんは「成功する人が備えていなければならないもの」として、「愛嬌」と「運が強そうなこと」と「後ろ姿」という、意外な三つを挙げました。理由はあえて説明せずに、です。この三つの条件について、わたしはこんなふうに解釈しています。

「愛嬌」のある人にはスキがあります。無鉄砲に突っ走って転んだり、情にほだされていっしょに落ち込んでしまったりする。だからまわりをはらはらさせる。わたしがしっかり見守っていないと、という思いにさせるわけです。

http://www.osaka-u.ac.jp/ja/guide/president/ja/guide/president/files/h23_shikiji.pdf


この式辞もすごく示唆に富むので興味のある方は是非全文を。

*1:やはり読んでいる本の著者が男性に偏っているな…。一時期は一定比率で女性著者のものを入れるように意識していたこともあるけれど。