三ねんねたろう(三年寝太郎)/大川悦生

三ねんねたろう (むかしむかし絵本 8)

三ねんねたろう (むかしむかし絵本 8)



ラジオで哲学者の國分先生が推薦していたのを聞いて、
面白そうだったので、購入してみました。

(國分先生がラジオでしていたのは、大体こんな話)
http://www.kinokuniya.co.jp/store/Shinjuku-Main-Store/20110520195240.html

上記リンクで語られているように、
昔の日本の民話なんて今の価値観で裁けば、
とんでもなくムチャクチャなものが多い
(詳しくは河合隼雄先生の「昔話と日本人の心*1
など参照)ものですし、それをそのまま子どもに
読ませれば良いと思います。
漂白、サニタイズされた教訓話は嫌ですね。

そしてこの「三年ねたろう」は謎を残した
タイプの「深イイ絵本」でした。


むかしむかしの田舎の農村

何もしないで寝てばかりいる男がいた

農村は、水不足や過酷な年貢に悩まされていた

農民たちは雨乞いしておろおろするばかり

ある日、ねたろうが起き上がり・・・







上記リンクの中の國分先生の推薦コメントの中にある
「社会を変えるのは、ねたろうとこどもたちに他ならない」
というフレーズが素晴らしいと思いました。

絵本を読むようなお子さんが居るご家庭には強く推薦します。






三年ねたろう、は色々な読み方ができる本ですが、
一つの側面では、リーダーシップについて書かれた
本でもあり、それで思い出した動画はTEDのコレです。


今の日本も、当時の農村と変わらないような気もします。

たしかに、「社会を変えるのは、ねたろうと子どもたち」かもしれない。

*1:この本は面白かった。ユング心理学で日本の昔話を分析するという。すごくとんでもない昔話や民話もたくさん出てきて仰天した。