10年後に食える仕事、食えない仕事/渡邉正裕


10年後に食える仕事、食えない仕事

10年後に食える仕事、食えない仕事


人事コンサル界で仕事をしていると、目下の流行は「グローバル人材」ということになるが、定義を考えずに「勢い」で行われている感も否めない。

本書を読んで、非常に視界が開けたというか整理された感があった。何より取材を沢山しているとのことで、(30代、東京でホワイトカラー的仕事をしている自分にとっては)リアリティがある。裏を返すと、リアリティに疑問の本も多くある中で、かなりのリアリティだと思った。


著者はグローバル時代の職業マップを2軸を使って4つの象限に整理している。

  • 重力の世界、
  • 無国籍ジャングル、
  • ジャパンプレミアム、

の4つである。(詳しくは、本書を読んでください。是非)



「グローバル人材」という一般の議論でで混同されがちなのは、?と?で、人によって「グローバル人材」と言いながら?であったり?であったりを想定しながら話していることがあり、注意が必要だ。(と、本書を読んで一段とクリアに整理することができた)

個人的に一点、「もっと細かく書いたら良かったのに」と思ったのは?の領域。

?の中にも「日本語だけで良い」世界と「英語を使えないといけない世界」があり、今起こっているのは、前者の年収や就業機会が下がるのではないか、という恐怖感ではないか、と思う。あくまで恐怖「感」であり、これがあるから、英会話学校が流行っているのであって、?を目指して英会話学校に行く人は少ないだろう。


とはいえ、フリードマンとかライシュなどが論じてきた労働経済学的事象を日本の今の現実に照らし合わせて理解できる本だし、そんな難しい位置付けでなくて、普通に、仕事・キャリアを考える上で有益になると思うので、オススメです。(シネマハスラー風)