お母さんのための「男の子」の育て方/高濱正伸
- 作者: 高濱正伸
- 出版社/メーカー: 実務教育出版
- 発売日: 2012/05/29
- メディア: 単行本
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花まる学習会の高濱先生。TBSの情熱大陸で拝見したのをキッカケにファンになった。
自分は大人の人材育成を仕事のフィールドにしている。その観点からでも、この先生の幼児教育論、少年少女教育論はとても示唆に富み、読むたびに勉強になるばかり。それもそのはず。高濱先生は自身が経営者でもあるので、社会人も実際に雇用し、活躍出来る人、出来ない人をつぶさに見ている。その差はどこから出てくるのか(特に幼少期の育ち方)を、かなり洞察されているのだ。
「正直言って、トロい人間であることは、社会で仕事をする上ではプラスではない。できればキビキビした人間に育てる方が良い」また「社会に出れば先輩から教えてもらわなければ仕事ができないのだから、年上から可愛がられる人間的魅力は必要だ」とハッキリおっしゃっている。「世界に一つだけの花」的な、「なんでも個性で良いんだよ」というお花畑思想とは一線を画しているところが、高濱先生らしくて好きである。
こう書くと、高濱先生が、企業で出世する人間を育てる法を指南しているように伝わってしまうかもしれないが、全くそんなことは無い。大前提は「偏差値なんて関係ない」「バイタルな力を大事にすべき」という先生である。
本書では「これから先の日本社会はきれい事では解決が難しいことが多い、とても厳しい社会になる」という現状認識を明快に述べられ「だから、過保護に育てるのではなく、そこを生き抜いていける根本的な力を養わせてやりたい」とおっしゃっている。
その他、本書の提唱する「男の子育て」のポイント。
・楽しく、のびのびとして良い
・幼少期から他人との揉め事を恐れず、それを通じて「強さ」を身につけよ
・肥大化した自己愛は誰か(親でなくて良い)に「ふざけるな!」と一喝してもらう経験が大事
・テレビゲームは「禁止」すべき。危険な麻薬と同じ。(これで引きこもりになる人を多数見てきた)
・人を笑わせるユーモアを育てることはとても重要
・事件化しない、「大した事じゃない精神」の大切さ
・失敗経験へのプラスイメージを…。
などなど。
個人的には、3回くらい繰り返し読んでおきたい一冊。