功利主義入門---はじめての倫理学/児玉聡
- 作者: 児玉聡
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/07
- メディア: 新書
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ビジネスパーソンにとって「正しい判断」とは何だろうか*1、ということを考えていて、少しR&D的なところに遡るために、本書で勉強した。
とても分かりやすいし、共感しやすい内容。著者の方と自分の年齢が近いせいかもしれない。最新の研究の成果も織り込まれていて入門書としてとても良いと思う。流行につられてマイケル・サンデルを買うくらいならこちらの方がよほど「功利主義」について理解できると思った。
(自分用メモ)
・リバタリアン・パターナリズム=現代の公衆衛生を基礎づける理論。個人の自由と人々の健康の間にある緊張関係にどう介入するかを正当化するための倫理的理論が必要。
・菅直人首相の「最小不幸社会」というのは、一般には全くウケなかったが、倫理学・幸福研究的には筋の通ったものであったのかもしれない。
・倫理学は、規範理論であるが、今、心理学や脳科学といった記述理論(実証理論)の挑戦を受けている
・一人の人間の試行中には「経験的システム」と「分析的システム」が共存している。
*1:ロジカルな判断なら良いのか、金儲けに繋がる判断なら良いのか…