「日本史」の終わり 変わる世界 変われない日本人/池田信夫 与那覇潤
- 作者: 池田信夫,與那覇潤
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/09/19
- メディア: 単行本
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ここで議論されていることは、池田信夫ブログを日ごろから読んでおり、与那覇さんの『中国化する日本』は読み終えている私のような人間にとっては面白いと思うのだが、一方で、ビギナーはいきなり本書から読むと混乱するだろうな、と思う。
全体的に学際的というか、様々な研究(それも割と新しいもの)の知見が速射砲のように引用されるので「乗り物酔い」みたいな感覚があるのだが、それにしても、若手の与那覇さん、「あの」池田信夫氏を相手に一歩も引かずの対応には凄いなあ。
特に、与那覇さんの「拒否権を持つプレイヤー」という観点から日本の組織や社会の問題を読み説く視点は、講演会でお聞きしてなるほど、と思っていたが本書に書籍という形で収録されたのは嬉しい。
余談ながら、随所に「橋下氏は…」と出てくるのは、時節柄仕方ないとは思うが、10年後くらいにこの本を読むと微妙に感じる気もする。今、小室直樹の本を読んで「角栄は…」と書いているのを読むとちょっと微妙な気持ちになるので。もちろん、それも含めて「味」とも言えるのかもしれない。
(自分の勉強用のメモ)
P111あたり
日本軍・日本の組織は何故「損切り」できないか。
1:サンクコストのマジック(ただしこれは日本特殊ではない)
2:拒否権確保所有者が多すぎる日本の伝統
3:丸山真男が指摘した「作為」を嫌う日本のエートス