「レ・ミゼラブル」百六景〈新装版〉 (文春文庫)/鹿島茂
- 作者: 鹿島茂
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/11/09
- メディア: 文庫
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意を決して映画『レ・ミゼラブル』に足を運んだキッカケの一つは、鹿島先生のこのブログを読んだからであり、やはりこの本を読んでみたくなった。
ユゴーの大長編小説「レ・ミレラブル」を、前から順番に「ストーリーの要約+解説+挿絵」というモジュールを106個で示してくれるという本。内容も面白いし、鹿島先生の美文も最高。少し文庫としては厚いけど絵が多いので問題なし。
私のように「子供のころ、ダイジェストで読んであらすじがうろ覚え」「かつて一度だけ全量にチャレンジしてあまりの冗長さに挫折」「映画を見て、感動」といった人間にはもってこいの本だった。
レ・ミゼラブルが批評家や玄人からの批判や無視にもかかわらず、これほどまでに世界の人々に親しまれてきたのは、やはり社会の弱者に対するユゴーの愛と共感が本物で、そこにひとかけらの卑しさもないためだろう。いくら感動的な物語でも、偽物は時代を超えて生き延びることはできない。
(第31景 軽くなった桶*1 解説より)