不格好経営―チームDeNAの挑戦/南場智子



唐突だが、日本人は「ヤンキー体質な人」と「非ヤンキー体質な人」に分けられる*1。そして、表現者や政治家やリーダーが「玄人受け」「内輪受け」を超えてメジャーにブレイクするためには、ヤンキー層にまで届く言葉を持たなければいけない*2、そんな話を最近聞いた。


この論法でいえば、南場さんは、ヤンキーに届く言葉を持ち得た経営者だ、と本書を読んで感じた。大半のMBAホルダーやMBAワナビーは同類同士のみで通じる言葉は持つけれど、そこを超えてヤンキーに届く言葉を持つことは出来ない。

ヤンキー、それは、理屈で動かない、理屈では予測不可能な人達だ。そして、実は大半の消費者はこうなのだ。

南場さんは、ヤンキーに通じる言葉を持てた。その結果として大衆向けビジネスで成功した。

南場さんがそこへ行けた理由は、おそらくお父上の存在*3がゆえではないかと思った。生い立ちのところがとても興味深かった。

*1:齋藤環さんの議論を参照。

*2:これは東京ポッド許可局を参照

*3:厳格な封建親父だったらしい。とにかく読んでるだけでも大変な人であることが伺える。