LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲/シェリル・サンドバーグ



現代アメリカにおけるスーパーウマーン代表、シェリル・サンドバーグ氏の一冊。スーパーウーマンというこの書き方自体がすでに自分の偏見なのかもしれないとは思うが、やはり客観的に性別を抜きにしてもその経歴は「スーパー」だろう。


本書のプロモーションで来日した同氏がNHKクローズアップ現代の全文書き起こしが面白い。


http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3377_all.html


ここでも明確だが彼女は明確に「男女の完全な平等」を求めている。これがゴールだ。このことに、多くの日本人は違和感を覚えるのではないかと思う。自分ももろ手を挙げて賛成というわけにはいかない。(ただし、現状はまだ改善すべき多くのアンバランスがあると思う)

この「完全な平等」を求めるというのは、アメリカ人にとっては、日本人には想像もつかないほど、とても大きなことなのだと思われる。というのは、アメリカの歴史そのものが、自由と平等の拡大に向けた一直線の歴史であると捉えるならば、シェリルの主張はまさにその流れの中にあるからだ。だからこそ一定の支持を集めるのだろう。対して多くの日本人は「歴史」を「自由と平等の拡大のプロセス」という風には理解していない。本書をめぐる日米間(あるいは米国とそれ以外の国)でのパーセプションギャップにはこうした歴史観の差が関係しているのだと思う。