みんなの経営学/佐々木圭吾
- 作者: 佐々木圭吾
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2013/08/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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私は1990年代、00年代に一橋大学の商学部と商学研究科で経営学を学んだ人間なので、本書で展開されている考え方には、馴染みと親しみがある。特に1990年代当時は伊丹・野中・竹内宏高・若き日の楠木先生など、今振り返って見てもなかなか偉大な先生方が集っていた。本書にはそうしたエッセンスが流れ込んでいると感じた。
内容的には学部入門向けのような気もするし、30歳くらいで会社が一通り分かった段階で読んでも良い気もするし、幹部手前でふと読んでみるのも良いような気もした。
以下、本書内容のメモ。
第一章、経営学はなぜ必要か。人間の二つの「弱さ」(限界)を指摘し、だからこそ経営学の諸理論には自省的思考を促す効果がある、という指摘、分かりやすい。
第五章、組織論の解説。組織は「人間性を守る装置」と非常にポジティブな面を強調。
第六章。経営戦略や長期の方針で大事なのは、未来を正確に当てることではない。提示された未来の姿を信じて、望んで、組織の皆が心を落ち着けて働くことが重要なのだ。
第七章。過去との比較において、最も従業員が情報を持つ時代。そうした時代に必要な経営理論が求められている。そもそも経営学とは、単なる金もうけの学問ではなく、マネジメントを洗練させることで社会や人々の幸福を実現しようとするもの。理想的・倫理的視点を持って自由と平和を発展させる企業経営を構想・実現すること。