日本人はなぜ存在するか/與那覇潤

歴史学社会学、哲学、心理学から比較文化民俗学文化人類学など、さまざまな学問的アプローチを駆使し、既存の日本&日本人像を根本からとらえなおす!

目次
第1章 「日本人」は存在するか
第2章 「日本史」はなぜ間違えるか
第3章 「日本国籍」に根拠はあるか
第4章 「日本民族」とは誰のことか
第5章 「日本文化」は日本風か
第6章 「世界」は日本をどう見てきたか
第7章 「ジャパニメーション」は鳥獣戯画
第8章 「物語」を信じられるか
第9章 「人間」の範囲はどこまでか
第10章 「正義」は定義できるか

これは非常に勉強になる本だった。読みやすいし、言っていることがイチイチ共感できる。年代とか読んだきた本が似ているからだろうか。(しかし、私にはこんな風に書き上げる能力は全くない…)

再帰性、ということをここまで分かりやすく論じた本は初めてではなかろうか。

個人的には子供が今、オールドウルトラマンをDVDで見まくっているので、「ウルトラマン」と「沖縄」論にはビックリした。

産業界を中心に「グローバル人材」議論がかまびすしい。語学力以前に、本書程度の知識・見識を持ってこそのグローバル人材であると思う。そういう意味で、ビジネス人にも強く薦めたい。というか、一定以上の年収・ポスト・責任を担うビジネス人にとっては本書は必須の教養科目、であるという風に思った。