マネー・ボール(完全版)/ マイケル・ルイス

 

 映画版『マネー・ボール』は大好きで人にも薦めてきたのだが、原作本が未読だった。そのことが気になっており、ようやく読んだ。

映画版よりも情報量が多く、参考になる部分もあった。(たとえば、セイバーメトリクス理論には歴史的に先駆者が居た、ということなど)しかし、全体としては、「この本を上手く映画化したなぁ」という印象が勝った。脚本のアーロン・ソーキンとプロデューサー・主演のブラッド・ピット、偉い。

 

原作者のマイケル・ルイスは好きな作家だ。これまでも他の著書を読んできたが、この作家の重要なモチーフは「世間を席巻している一般通念に対して戦いを挑む少数派」ということなのだと気がついた。『マネー・ボール』と『世紀の空売り』の共通点がこれだ。