インターステラー/クリストファー・ノーラン監督(2014)

 
クリストファー・ノーランは僕の映画館通いのきっかけ(2008年の『ダークナイト』)を作った監督だ。その後、期待マックスだった『ダークナイトライジング』に失望したり、この監督とのおつきあいには色々あった。しかし、本作も見ないわけにはいかない。
 
予告編を見た段階から、「これは意図的に作品の内容の情報を隠してるな(「カールじいさんの空飛ぶ家」方式だな)」と感じていた。そのため、敢えて事前情報をほぼ完全にシャットアウトして、公開と同時に駆けつける、という作戦とした。見てみたら、予感は的中。話は途中から予告編の様相を大きく超えて行った。
 
ハードなSF作品であるが、ストーリーは完全に独創的なアイデアというわけでもないのだろう。本作のパーツパーツには色々元ネタが色々ある、という話は各所に出ている。それはさておき、これだけの長大な独自構想をこれだけのビッグプロジェクトとして完成させることができるのはクリストファー・ノーランならではだと思う。Wikiを見たら、最初はスピルバーグのプロジェクトだったとの記載あり驚いた。
 
この監督の絵作り(特に質感と暗さ)と音楽は、ストーリーとか関係なく好きなのだが、その点では本作は大満足。
 
役者さん関係。主演のマシュー・マコノヒーアン・ハサウェイは言うまでもなく良い。ノーラン組常連のマイケル・ケインは本作で引退らしいが、本作の中ではヨレヨレのおっさんになっていて、「役としてはダークナイトトリロジーでのアルフレッドが最高だったなぁ」などと思い出してしまった。マット・デイモンは太り過ぎ。そしてジェシカ・チャスティン。『ゼロ・ダーク・サーティ』で彼女に惚れた自分としては、彼女の活躍が嬉しかった。彼女は都会の金髪白人ぽくないこういう感じの役柄がいいと思う。
 
もう一つ、今回の思い出。劇場の隣の席が珍しく中学三年生らしきカップルだったこと。中学三年生がデートでクリストファー・ノーランの作品を見に来るなんて、将来が有望過ぎる。