ゴーン・ガール/デビッド・フィンチャー監督(2014)

(このエルビス・コステロ音楽の予告編がまた最高。例によって、この曲は本編では使われていない)
 
 
事前情報を遮断して話題作に推参。漠然と、夫婦モノかサスペンスミステリーかなぁ、というくらい。これが良かった。これから見る人はこのブログをはじめ、とにかく余計な情報は事前に入れずに行くことおすすめ。
 
 
 
 
さて、見た結果、自分なりにはこれデビッド・フィンチャー流の現代アメリカ批評がメインの作品だと理解した。ストーリーの細かい辻褄については、そもそも監督はあまり気にしていないと思う。
 
「まじめに、狂気を生きざるを得ないようなアメリカ社会」を風刺するシーンが沢山あって、ブラックユーモアを感じた。出てくる人が主役陣からちょい役、一般大衆までみんなおかしくなっている。それが普通になっちゃってる社会を監督が冷笑してる感がたまらなく良い。
 
日本の宣伝コピーは、“本当に大切なものはいつも失って初めてわかる”として、夫婦愛を連想させている。実はこれ、見終わった後には「大切なもの=正気」というオチだと思った。
 
前半の捜査過程がとても「ツイン・ピークス」っぽい。同作が大好きな僕は嬉しくなってしまって「あ〜、帰ったら家でツイン・ピークスのDVD観たい」などと映画を見ながら思ってしまった。
 
トレント・レズナーの音楽も良い仕事しています。
 
デビッド・フィンチャー監督最高。「ハウス・オブ・カード」も見たくなってしまった。