1964年のジャイアント馬場/柳澤健

 

1964年のジャイアント馬場

1964年のジャイアント馬場

 

 

 
 
分厚い一冊を今年の最後の読書に。
 
いや、面白かった。柳澤健にハズレなし。馬場さんの栄光と挫折の物語を縦軸に、プロレスという幻想、嫉妬に突き動かされる人間模様、人としての品格論、などを織り交ぜた大河ドラマ
 
 
本書では再三、リアルファイトで強いレスラー、と、見栄えがして客が呼べるレスラー、は違うという事が強調されている。プロレスでは当然、後者が重用される。両者には両者とものプライドがあり、確執があるそうだ。これ、仕事の世界、私の居るコンサルティングの世界でもあるんだよなぁ、と思いながら読んだ。
 
今年は本を読む冊数を意図的に減らしてきたが、この本は年末に読書の醍醐味を再確認させてくれた。
 
  • 脇道と断りつつ、力道山木村政彦の試合について熱く語る筆者。明らかに「なぜ木村政彦力道山を殺さなかったのか?」へのアンサーであり読んでいてドキドキした。

 

 

  • 馬場夫人の元子さん関係の記述がほぼ皆無。他を詳しく書き込んでいるのに、ここだけスルーというところに、大人の事情を感じた。(もちろん、本書が焦点を当てているところと本質的には関係がない、という整理は理解できるので、本書の価値を下げるものではないだろう)
 

(以上、プロレス観戦歴2回、プロレス誌購入経験なし。柳澤健本は「猪木」「クラッシュギャルズ」の二冊を読んだ、という経験の感想です)