ジェフ・ベゾス 果てなき野望/ブラッド・ストーン


ジェフ・ベゾス 果てなき野望

ジェフ・ベゾス 果てなき野望


今、ビジネスをしている人の大半にとって最もベンチマーク、研究し尽くさなければならない企業といえば、アマゾンだと思う。いや、ビジネスをしていなくても、消費行動を大きく変えることを通じて、流通のあり方を根本的に変革しつつあることを考えれば、殆どの人はアマゾンと真剣に向き合わざるを得ないだろうと思う。この企業は、功と罪、どちらの影響もずば抜けて大きい。

本書は、アマゾンの誕生前から現在までを時系列的にたどる。私自身、長年のアマゾンユーザーであるだけに、まさに歴史を振り返りながら、読むことができた。(翻訳もとても読みやすい)

とにかく読み応えのある本だ。ビジネススクールケーススタディ何本分にも匹敵する、企業経営や人材活用の本質を考えさせるに十分なディテールの書き込み。読みながら、思わずへぇ、と声の出るトリビア。そして、ベゾズ出生の秘密まで出てくる人間ドラマ。

マーク・ザッカーバーグ 若き天才の野望」を通じてFacebookを学んだ時にも感じたことだが20年間でここまで成長できる、人材・資金・インフラの流動性を持つアメリカという土壌にも改めて驚いた。