独立器官/村上春樹

今、発売中の文芸春秋に連載の最新短編。

作家が、ある男の告白を聞く、という話の作りとしては「回転木馬のデッドヒート」が思い出させる。というか、ほぼそのまま。

内容としては、「中二病をこじらせた50歳過ぎの男の行く末…」という感じの話なのだが、さすがに読ませる力量。

村上春樹自身、「中二病的だ」と非難されることも少なくない作家であり本人も分かっているだろうから、ある種の自己言及なのかもしれない。

ちなみに、村上春樹のこの短編の掲載ページの次が村上龍の「オールド・テロリスト」。こちらも「コインロッカーベイビーズ」の頃から、芸風はあまり変わっていないようにも思う。