アナと雪の女王(2014)/クリス・バック&ジェニファー・リー



アカデミー賞長編アニメーション作品賞受賞で世界的に大ヒット中ということで、ちょっと記憶にないくらいに久しぶりな劇場でのディズニー映画鑑賞。

なんでも分析的に考えるのが好きな私は、映画を三幕構成に分けるという考え方を勉強中。このフレームワークに照らして言うと、この映画は第一幕が非常に良い。姉妹(あるいは、長子と末子)の関係の本質を、ズバズバと芸術的に表現して(歌をうまく使って)先へ進む。それに第一幕のクライマックスには、本作の白眉となる「あの曲」があるし。

第二幕、第三幕は、アクション過多でちょっと雑なところもあるように思ったが、トータルとしてみれば、大ヒットするのも納得の完成度の高さだった。

普段、自分は「苦行系」の映画を見ることが多い。(映画の中で)拷問とか敵の襲撃を気にせずにのんびり鑑賞できるのもまた良いものだ、と思った。

映画関連の掲示板で見たが、製作総指揮のジョン・ラセターが、Elsaのキャラクター造形を途中で悪役→ベビーフェイスに変更させた、というのは本当なのだろうか。(本当だとすれば、さすがの指示だと思う)

いずれにしろ、ディズニー・ピクサーは、ラセターが製作総指揮に回り、新たな才能が監督や脚本に登場しており、まだまだこの先も行けるだろう。羨ましい限りだ。対照的に、日本の宮崎監督は最後まで自ら絵を描く一職人を貫き引退。それはそれで素晴らしいことだとは思うけれど、将来が心配ではある。