外資系コンサルのスライド作成術/山口周


外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック

外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック


私もこの業界のベテランで、こういう本には正直飽いている。それに、「外資系コンサルの・・・」的なタイトルがついていると、うさんくさい、と思うタイプでもある。今回、本書が、たまたま社内の若手の机の上にあったので手に取って読んでみたら、素直に良い本だと思った。書いてあることは、スライド作成術の基本として分かりやすいし、認知科学や、各種の教養を散りばめながら書いているスタイルも良かった。あと、あとがきを読んで、この著者は信頼できる、と思った。

さすがに新味を感じた部分は無かったが、一つ紹介されていたコンセプトで面白いと思ったのは、広告ディレクター岡康道さんが提唱した、Suprizing yet right というものとそれを元にしたマトリクス。(詳しくは、ここのリンクを参照)このマトリクスは今まで感じていたことをよく整理してくれるもので、助かった。ただ、私が仕事で日々感じていることは、何が相手にとってSuprizingなのかを探るのは本当に難しいということ。相手を見くびるのは論外だし、変に驚かそうとするのも良くない。結局相手に対する敬意と思いやりに尽きる気がする。それがあれば、相手にとってnot suprizingな話を長々とすることもないだろうし。