【参加してきました】孫正義 x コリン・パウエル対談講演、リーダーシップ論特別講義「Leadership: Taking Charge」
対談詳しい内容はこのリンク先に
イベントが始まる前には明確に意識していなかったのだが、このお二人の共通点は「移民の子」である、ということ。パウエル将軍は、ジャマイカ系移民の子。孫さんは、韓国系三世。パウエル氏の講演パートでも、孫さんとの対談パートでも、この出自(差別にも直面したこと)を二人が熱く語っていた。
パウエル氏の両親は、仕事と報酬と子どもへの教育を与えてくれたアメリカ合衆国を愛して誇りに思っていたそうである。パウエル氏本人も「移民を受け入れる力」こそ、アメリカを偉大な国としているのであり、そのような多様性の推進に(引退後の)今は尽くしているということを熱心に紹介していた。
孫さんは、三世として「自分は日本人だと思い、日本に愛着を自然に感じて育った」という。(祖父は、祖国に肩入れしていたそうである)「移民だって三世代掛かれば、溶け込めるんです」と語った。
今日の対談では、二人とも「日本に移民を受け入れるべき」という点で一致していた。
僕個人の意見はまだ迷いがある。「小さくても美しい国を目指したい」とか「日本は純血な国として残るべき」とかいうことを目ざしたい気はさらさらない。ただ、多くの日本人は移民を本気で受け入れるだけの気概もオープンマインドもないだろうと思う。そんな中途半端な状態で受け入れても、移民の方に失礼である気がするのだ。(というか、既に外国人研修生のあたりで十分に問題になっている)日本に来た移民が、パウエル将軍のご両親のように、「日本に感謝している」と熱く想えるような歓迎を出来る気がまるでしない。
話が脇道にそれてしまった。本題のリーダーシップ論では「目的を示せ」とか「フォロワーも人間だ。人間として接するべきだ」など当たり前の内容ではあったのだけれど、パウエル氏の堂々としたプレゼンテーションで、パウエルのルール13か条を生で聞けたのはとても良い機会だった。
孫「あなたは米軍のトップや国務長官という頂点を極めたのに、なぜ、そんなに末端の労働者達のことを想うのですか?」
パウエル「なぜなら、私がそこから来たからです」
というやりとりに、パウエル氏がアメリカ人から愛された理由の源泉というか懐の深さを感じた。
末筆ながらこんなイベントを無償で開催してしまうソフトバンクさんの太っ腹さに感謝したい。
はるか前にパウエル将軍の第一自伝『マイ・アメリカン・ジャーニー』を読んだのだが、内容はほぼ忘れてしまっているので、以下の近著を読んでみたいと思う。
- 作者: コリン・パウエル,トニー・コルツ,井口耕二
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2012/09/29
- メディア: 単行本
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