おとなが育つ条件 発達心理学から考える/柏木恵子


さすが岩波新書。新書ながらも手抜き感なく、インテレクチュアルな中身がぎっしり詰まっている。(流し読みには苦しいスタイル)

「頭の良さ」とは、その人が所属する社会で受けいれられる程度であり、国ごと(社会・文化ごと)に「頭の良い」とされる人の実像は違う、という。日本では、「熟考し、空気を読む」行動スタイルが「頭がいい」とされ、これは世界の中では特徴的なものである。なんと小学校入学初期から、外国と日本のこの差が生まれていることが、実証実験により確かめられているという。