エディー・ジョーンズの監督学 日本ラグビー再建を託される理由/大友信彦

 

エディー・ジョーンズの監督学 日本ラグビー再建を託される理由

エディー・ジョーンズの監督学 日本ラグビー再建を託される理由

 

 NHKのプロフェッショナルで取り上げられているこの監督の人生とコーチングがすばらしかったので、図書館で取り寄せてみた。期待していたよりは、純粋ラグビーファン向けに寄った内容。指導者論として深く知りたかった自分としてはちょと喰い足りなかった。でもそのうちに、そういう角度での良い本が出そうな気はする。

すでにこんな面白い記事もある。

 

本書の中で印象に残ったのは、日本代表についての考え方についてだ。

ラグビーナショナルチームに外国人を割と沢山起用できることもあって、ナショナルチームアイデンティティ問題が起きやすい。エディ・ジョーンズ氏はここに明快な哲学を持っている。大事なのは「(ナショナルチームとしての独自性ある)カルチャーを明確に作り、それを共有できる選手を選ぶ」という軸。これができていれば、国籍や経験は気にしなくてもいい。逆に、それが共有できない選手であればチームには不要*1、という哲学だ。これは、ダイバーシティを進める企業人にとっても有効なアドバイスだと思う。エディ氏が監督に就任した際、日本の代表チームには「共有されるべきカルチャー」がいま一つ明確ではなかった、有能な人材を選んでそれに合わせてチームを作っている、と彼は感じたそうである。

 

自分はそれほどラグビーに詳しいわけではないが、スクールウォーズ世代として基礎知識はある。これからエディ監督を中心に、日本のラグビーに注目していきたいと思う。

 

 

*1:マンチェスター・ユナイテッドの名将、ファーガソン監督もこうした考えで、ベッカムを放出