あかんやつら 東映京都撮影所血風録/春日太一

 

 

あかんやつら 東映京都撮影所血風録

あかんやつら 東映京都撮影所血風録

 

 

 
TBSラジオのサブカル路線を愛する私は、著者と本書の事はそれらの番組を通じて知っていました。そのため、本書の主題である東映映画については作品もほとんど知らないにも関わらず、本書には興味を持っておりまして、図書館でふと出会ったので借りてきた次第です。
 
読み手である私に本書理解の前提となる作品そのものあるいは人物名に関する知識が欠けているので、十分に楽しめなかった感もありますが、「血風録」というサブタイトルに違わぬように情念に満ちた時代の雰囲気を感じることはできました。本書に出てくるような人々や環境は暑苦し過ぎて、自分は苦手ですが、話として読むのは嫌いじゃないです。
 
時代劇はともかく、映画「仁義なき戦い」くらいはちゃんとみないと行けないなと思いました。
 
仁義なき戦いの、深作欣二監督が、伝統の東映京都撮影所に登場した時のエピソード
 
P.303
東映京都の監督は頭がイイだけではできん。人の信頼を得るだけのパッションが必要なんですわ。必要な能力の九割は統率力やね。ようは人間味や。その最たるものが深作ですよ。みんな最初は『二度とこんなガキとやってられるか』とブーブー言いながら、結局は素晴らしい映画を撮るから、みんなついていくんですわ」(高岩・談)