かぐや姫の物語 サウンドトラック

 

 

先日、初の地上波放送があったこの映画、傑作だと思います。そのサウンドトラック、レンタルにて入手しておきました。

 

初めて映画をDVDで見ていた時*1、高畑監督自らが作詞作曲した劇中歌この歌詞の冒頭が聞こえてきた瞬間に、「これぞ日本。円環構造!」と感服しました。繰り返されるこの曲が、この映画全体の主題を象徴しています。

 

わらべ唄
作詞:高畑勲坂口理子
作曲:高畑勲

まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ
まわって お日さん 呼んでこい
まわって お日さん 呼んでこい
鳥 虫 けもの 草 木 花
春 夏 秋 冬 連れてこい
春 夏 秋 冬 連れてこい

まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ
まわって お日さん 呼んでこい
まわって お日さん 呼んでこい
鳥 虫 けもの 草 木 花
春 夏 秋 冬 連れてこい
春 夏 秋 冬 連れてこい

まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ
まわって お日さん 呼んでこい
まわって お日さん 呼んでこい
鳥 虫 けもの 草 木 花
咲いて 実って 散ったとて
生まれて 育って 死んだとて
風が吹き 雨が降り 水車まわり
せんぐり いのちが よみがえる
せんぐり いのちが よみがえる

 

「まわる」=円環構造。これぞ日本。終末に向かって一直線の一神教の世界観と決定的に違うところ。そこをずばり一行目に持ってきている時点で、もう、堪りません。

 

この映画を楽しめるかどうかは、この歌詞の哲学的な深みが感じられるかどうか、に依存している気がします。

 

この辺のこと、英語圏のレビューを読んでいると、外国人の方が理解してるような気も。

 

あとはやはり「天人の音楽」の素晴らしさですね。久石譲の映画音楽の最高峰の曲だと思います。高畑監督からこのシーン(クライマックスでの月からの阿弥陀如来軍団によるお迎え)の曲を作ってくれ、と言われてこれで応える久石譲はすごいの一言。

*1:映画館で見ておくべきだった。悔やまれます。