エディージャパンが示した「世界と戦う日本」へのヒント

ラグビー日本代表の指揮官、エディー・ジョーンズ氏の哲学・指導法には以前から注目してきた。世界の中で生きていかなければいけない日本の組織に求められていることを体現している方なのではないか、と感じてきたのだ。

しかし、初戦前の僕の心境は正直こんな感じだった。「もしかしたら南アフリカ相手に善戦するかもしれないけど、またボコボコにされるかもしれない。わざわざ、生活リズム崩して夜中に起きて試合を見ようかどうか…。勝ち目の多少ある二戦目からで十分とも思う。でも、、、エディさん尊敬する者として少しだけ見よう。それがここまでやっくれたエディさんに対する自分のリスペクトだ…。でも、、起きてテレビつけて、大差で負けてたらすぐまた寝よう」

 

結果、生涯最高のものをライブで見せてもらった。

 

試合中のファンの心境を綴った素晴らしい記事はこちら。(僕はここまでラグビー通ではないけれど、気持ちは同じだった。後半の頭からずっと涙が・・・)

blog.livedoor.jp


自分なりに、エディージャパン(試合中というよりもむしろ準備段階)から学んだことをまとめると、以下の四点になる。日本の組織が世界で戦うには以下が必要だということを今回の件は示したのではないだろうか。

  • 世界基準(業界の最先端のKSF:Key Success Factor)を知り、経験しているリーダー

 

  • 日本人の個性特徴を強みにする戦術立案 

 

  • 純血にこだわらず実力主義に基づく多様性 (特に弱みを素直に認め、躊躇なく他から一流のノウハウや人材を導入して補う)

 

  • リーダーからメンバーまで日本に対する愛を持つ人材で固める



これら四つを実行できれば、世界で勝負できる、どころか世界から賞賛される、のではないか。逆に、単に「実績ある外国人を連れて来ればいい」「やっぱり日本人は日本らしく日本のやり方で」これらはどちらも間違ってるということを今回の件は示したとも考えている。

 

これを教訓に、ラグビー界、他の業界も閉鎖的な考えに陥ることなく、発展すると良いのだが。

 

足下で気になる事としては、次こそが日本でのワールドカップ開催なのに、エディーさんと継続契約が結べなかったラグビー界。大丈夫なのか?この辺の人事の裏事情をしっかり報道するマスコミはないのか?ということも気になる。この快挙では情緒的な浮かれ話も仕方ないが、そこを掘り下げてこそのジャーナリストだろう。

 

参考文献はこの辺。

www.nhk.or.jp

 

diamond.jp

matome.naver.jp

 

毎日新聞の5月の記事(この記事イイ!)

http://mainichi.jp/shimen/news/20150503ddm010050059000c.html

 

 

それにしても、エディーさんはお母さんと奥さんが日本人。ラグビー強国に生まれ育ち、祖国の低落ぶりに心を痛めていた。(白豪主義下のオーストラリアでは差別を受けることもあったという)。自分が日本ラグビーの復活に貢献したい、という使命感を持って来日・監督へと登りつめる。そしてこの勝利で本当に日本ラグビーを復活(いや、復活以上でしょう)へと導いた。本当に映画以上の話。