007 SPECTRE by サム・メンデス監督


映画『007 スペクター』予告2 2015年12月4日公開 - YouTube

 

 

「待ってました!」の007最新作。

 

とは言いつつも、あまり期待値を上げないようにして見に行ったが、良くも悪くも予想通り、「娯楽作としては普通に面白いけど、映画作品として絶賛するほどでもないかな…」というあたりの感想。

 

個人的にはクレイグボンドは好きなので、主人公が立ち回っているのを見られるだけで基本満足。鍛え上げたダニエル・クレイグが美しいトム・フォードのスーツをまとい世界中を駆け回る、という漫画チックなビジュアルだけでもう満足。

 

それなのに、なぜ大絶賛できないのだろう。

一つには前作、「スカイフォール」が鮮烈すぎた。なんであんなにスカイフォールが良かったのかな、と考えてみれば、「落ちたおっさんの再生(復活*1)」という太いテーマがあったからかな、と思う。今作にはその辺が希薄。

他には、うまく表現できないのだが、2015年の現実世界、ISやテロの問題というリアリティと、このボンド映画のリアリティラインが微妙にうまく合っていない気もすることだ。

 

でも、エンディング周りのセリフ、「これで、クレイグボンドは終わりなの?もう一作続くの?」という余韻を絶妙に持たせる終わらせ方は流石にオシャレでありました。個人的には、「どうしてもあと一作、クレイグボンドを!」とゴリ押し製作しない良い気がします。仕切り直せばいいのでは?

*1:文字通りキリスト教的なレザレクション