指揮官の条件/高嶋博視

 

 

指揮官の条件 (講談社現代新書)

指揮官の条件 (講談社現代新書)

 

 

この本は良かった。リーダー論を沢山読みすぎて不感症気味の自分ながら、スッと受け入れられるメッセージが沢山あった。「軍隊的な美学・実学」と「著者の人間味」の双方が感じられるのが良い。

 

実は著者の事を何も知らずに図書館でのバルク借りの中でふと借りた。返却した後も購入して手元に残しておきたいなぁと思う本だった。


特に官僚型大組織の上層部リーダーを目指す人、にオススメしたい。

 

以下、引用。

 

愛国心か?少し違うと思う。勿論、国を愛する気持ちはある。しかし愛国心がどうこう、というのは少し違う。要は、自分に与えられた任務を確実に遂行するという「使命感」だと思う。上段に構えた、気負ったものではない。淡々とした気持ちだ。
 
きちんと任務を遂行する。かっちり仕事をするのは、誠実で使命感のある人だ。どんなに時代が変わっても、どんなに環境が変わっても、どんなに科学が発達し人類が進化しても、ここのところは変わらないと思う。

 

私は愛国心よりも、むしろ、その人の責任感や使命感を重視する。これも口に出して言うものではない。自然と行動に出るものである。

 

いよいよの時、即ち、戦場・戦闘場面において最も信頼できるのは、自分の持ち場に誠実な人物。寡黙ではあるが、こつこつと自分の役割を果たす人、与えられた職務を淡々と遂行する人だ。

 

ズボラな人間は信用できない。多少頭の回転が速くても、大口を叩く人間は信頼できない。これは、私が制服生活40年を通じて得た、人物評価の基準である。