幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII 岸見一郎、古賀史健

 

幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

 

 

一般に、大ベストセラーの続編というのは、読み手の期待値が上がってしまうので、少し肩透かしになることが多いと思う。しかし、これは素直に良かった。


特に、教育・人材育成にフォーカスした内容なので、そういう事に意識が向いている人にはドンピシャだと思う。もっと言うと、世の中には、アドラー心理学が「ハマる」「刺さる」タイプの人々というのが居ると感じられ、私は多分その一人。言ってみれば、本シリーズのタイトルに強調されている「勇気」が足りなくて苦労しているタイプ。なので、前作が良かったと思う人は、今作もかなりの確度でフィットすると思う。

 

この本は前作もKindleで買ったのだが、今回もそうした。「ハイライト」して記録して、後で読み返したい、と思うところが多かったためだ。そして実際に、沢山ハイライトした。ということは、内容濃く編集されているのだと思う。編者の古賀さんの仕事だろう。

 

以下は、ごくごく一部。

 

これは親子であれ、あるいは会社組織のなかであれ、どのような対人関係でも同じです。まずは親が子どもを尊敬し、上司が部下を尊敬する。役割として「教える側」に立っている人間が、「教えられる側」に立つ人間のことを敬う。尊敬なきところに良好な対人関係は生まれず、良好な関係なくして言葉を届けることはできません。

 

哲人 わたしはあなたに一方通行の「尊敬」を求めているのではありません。むしろ、生徒たちに「尊敬」を教えてほしいのです。青年 尊敬を教える?  哲人 そう。あなたが身をもって実践することによって、尊敬するとはどういうことかを示す。尊敬という対人関係の土台を築く方法を示し、尊敬に基づく関係のあり方を知ってもらうのです。アドラーは言います。「臆病は伝染する。そして勇気も伝染する」と。当然「尊敬」もまた、伝染していくでしょう。

 

分業について、アドラーはこんなふうに語っています。「人の価値は、共同体において割り当てられる分業の役割を、どのように果たすかによって決められる」と。 つまり、人間の価値は、「どんな仕事に従事するか」によって決まるのではない。その仕事に「どのような態度で取り組むか」によって決まるのだと。

 

 

全くの余談ながら、岸見一郎先生、NHKの番組で拝見した時、Apple Watchしてらしたような。。