わが子を「メシが食える大人」に育てる/高濱正伸

わが子を「メシが食える大人」に育てる (ファミリー新書)

わが子を「メシが食える大人」に育てる (ファミリー新書)


去年、TBSの情熱大陸で見た中でも1・2を争うインパクトがあった、花まる学習会(幼児教育)の高濱代表。番組を見てから時間が随分たってしまったけれど、ようやく著書を読んだ。高濱氏は、教育の目標として「メシが食える大人になる」「モテる人になる」という二つを掲げている。
この目標設定が素晴らしい。学力とか知能とかはそのための手段に過ぎない。偏差値などは更にその下の概念。まさにそうだと思う。



さて、本書では、「メシが食える大人になるため」のベーシックな力5つが、高濱氏の豊富な経験から彫り出されている。()は、僕の要約です。

  • ことばの力(聞く・話す・読む・書くは、全ての知性のベース)
  • 自分で考える力(考えようとする意欲)
  • 思い浮かべる力(想像・概念化力)
  • 試そうとする力(まずはやってみよう、工夫してみようとする心)
  • やり抜く力(食い下がるしつこさ、思い通りにならなくてもくじけない)

ハード的なスキル、というよりは、「意欲」的なものが多い。




そして、この五つは、ビジネスの世界に思い切り当てはまると感じた。

高濱氏は、特に「ことばの力」はもっとも大事だ、とし、



不必要なあいまい表現は、思考の緩さにつながります。



と断言しているが、たしかに、ビジネスでもその通り。ロジカル・シンキングも良いけれど、不必要なあいまい表現を無くすように努力するだけでかなり思考がロジカルになると思う。




他にも、幼児期に早く子どもの「万能感」を潰してやることが、その子の将来のためになる、など面白い指摘が満載の本だった。