元外務省主任分析官 佐藤優 講演会に行って来た


 先日、自分にとって「念願」の生(ナマ)佐藤優*1を見てきました。あまり多く講演をする方でないので、貴重な機会です。なんとなく、予想していた通りの雰囲気のお方でした。

 震災後の日本と国際社会、ということで、いつも著作や連載で触れているような論旨のお話がありました。

 詳しく書くのは控えますが、「世界各国は、原発を(日本の組織が劣悪であるせいだ、という)人災扱いにしてくる。原発技術に頼らざるを得ない各国は、原発という技術を否定したくないので、日本人の運用を問題にしてくるからだ」という指摘があり*2、憂鬱な気分になりました。

 あとは、やはり佐藤氏も「日本人は近代市民社会とは別の原理で動いてますから」と指摘していたのが、印象に残りました。(4月23日の本ブログのエントリ参照)。もう一つ、「エリート層のリテラシー・知的体力の低下によって、この国は再び敗れる」とも。ちょっと「煽り気味」にも思いますが、まあ、そういうことかな、と。


ちなみに、佐藤優は大量の著作を発表しているので、今更どう読んでいいか分からない、という方のために、オススメを4冊上げておきます。思想解説・時局評論ものよりも、彼の自伝的著作が良いと思います。順序のポイントは、最初に「国家の罠」を読むことです。あとは「自壊する帝国」と「私のマルクス1・2」が良いです。


国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)

↑逮捕と裁判を綴った「衝撃の」デビュー作



自壊する帝国 (新潮文庫)

自壊する帝国 (新潮文庫)



私のマルクス (文春文庫)

私のマルクス (文春文庫)



獄中記 (岩波現代文庫)

獄中記 (岩波現代文庫)

*1:気になる知識人/作家はなるべく実物を見るように心がけております

*2:実際にヘラトリなんかの紙面ではそういう記事が出ているらしい