(復刻版)名将の演出 号令・命令・訓令をどう使い分けるか/大橋武夫

名将の演出―号令・命令・訓令をどう使い分けるか

名将の演出―号令・命令・訓令をどう使い分けるか


組織の力を機敏かつ効果的に発揮する古今東西の名将の苦悩と大悟の場面を再現した大橋兵法経営書の神髄『名将の演出』が、今、ここに甦る。

佐藤優講演会で、元帝国陸軍参謀の大橋武夫さんの著書が良い、との話を聞き、早速入手した。

本書のように、戦国武将を題材に経営や組織を語る、というのは、僕のように学問としての経営学をかじっていた者からすると、少し避けたい行為のような気がして敬遠していた。

しかし、読んでみると、人間学として深いものがある。

本書は1977年に発行されたもので、請われて復刻した名著なのだ。

すこしだけ抜粋でおすそ分け。


(まえがきより)


号令・命令・訓令は同じように思えるが、はっきりとした違いがある。

係長ー課長ー部長と昇進するにつれて、統率法を変え、号令から逐次訓令に重点を移さなければならぬことに気づかないから、部下組織が効果的に活動できなくなり、有能な社員でありながら、無能な幹部に転落するのである。


(第一章より)


上司をだますのは容易であるが、部下をだますことはできない。部下はつねに多くの眼で常に上司をみているからで、とくにピンチに陥ると、社員の視線は社長に集中する。



おれについてこい、と、思い切りやってこい、組織運用の極意はこの二つの方式を適切に使い分けるところにある。


エッセンスを吸収し、本業に還元できそうな部分が沢山あった。