外資系金融の終わり 年収5000万円トレーダーの悩ましき日々/藤沢数希


外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々

外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々




一応自分も日頃から世界の金融ニュースを追いかけているので、リーマン前後から今までの金融界の動きをまとめた本書を読んで、「目から鱗が落ちた」というようなことは無かったが、良くまとまっていて、少しインナーサークルの中身も観れたような気もした面白い本だった。

自分にとって印象的だったところ。


第4章

・ファイヤーウォールとかチャイナウォールとか、(どうせ抜け穴が出来てしまう)面倒くさいことをするくらいなら、投資銀行部門とマーケット部門は、会社ごと別にした方が良い、という提案。

・「死体処理」という本当の人事部のお仕事…これ読むと、外資金融、あるいは外資プロフェッショナルファームのHRの仕事はキツイなぁと思う。(と同時に、日本企業のHRはこういうキツさから逃げ過ぎているのかなぁとも思う)



第5章

・フィナンシャルエンジニアリング(金融工学)の社会的意義→リスクを世界の投資家に最適配分すること。

デリバティブは、リスクを取るべきでない人から取る意思も能力もある人へと移転することができる有用な手段である。」(P184掲載のウォーレン・バフェットの言葉より)





著者は、巨大金融機関からスピンアウトした小さなヘッジファンドが沢山できる未来を提言している。しかし、規制当局がその流れを許すとも思えないなぁ、という感想は持った。