人生の特等席/ロバート・ロレンツ監督

 

人生の特等席 [DVD]

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 ミリオンダラー・ベイビー』『硫黄島からの手紙』など俳優、監督として活躍しているクリント・イーストウッドが、およそ4年ぶりに主演を務めた感動作。17年間イーストウッドからじかに映画制作を学んだロバート・ロレンツが監督を務め、疎遠だった父娘が仕事を通して絆を取り戻していく様子を描き出す。まな娘を演じるのは『ザ・ファイター』のエイミー・アダムス。不器用な父親と、長い間そんな彼を遠くに感じていた娘がたどる再生のドラマが胸を揺さぶる。

 
「普通」に良い映画だと思う。凝ったところはない*1が、そこが逆に良い。オーソドックスなストーリーにオーソドックスな編集。話のテンポも概ね良い。
 
俳優として、クリント・イーストウッドエイミー・アダムスジャスティン・ティンバーレイクの三名が絡むのを見ているだけでも楽しい。これ日本人の配役だったら、高倉健長澤まさみ、ジャニーズの誰か?みたいな感じかな、と思ったり。それにしても、クリント・イーストウッド翁、共和党支持っぽい白人老人をやらさせたら本当にハマり役。
 
原題「Trouble with the Curve」はこの映画を象徴したうまいタイトルで感心した。(ただし、邦題も理解はできる)

 

*1:この映画を見て、いつも自分は凝った映画ばかり見すぎていると反省した。

圏外編集者/都築響一

 

圏外編集者

圏外編集者

 

 

組織に所属せず、腕一本で勝負してきた独立独歩のプロフェッショナルである著者の金言が満載。

 

「高給を取っている大手出版社の社員ほど、飲み屋で会社や社会の文句を言っている」

「編集者とデザイナーは一緒に仕事をしないと。"宅ふぁいる便"じゃ伝わらない」

 

などなど。

 

自分自身の分野は違うけれど、伝わってくるものがありました。

ScanSnap ix500+Scansnap Cloud

クラウド化・ペーパーレスに興味のある方への共有。
 
これまで色々家庭内のクラウド化・ペーパーレス化を研究してきた。
 
結果、昨年(2015年)末、
 
(A)ScanSnap ix500を使い
(B)Scansnap cloud経由で自動的に
(C)Evernote Premiumに連携させる
 
という仕組みが昨年末に我が家内で成立した。
 
この流れが、「これが最終究極形ではないか?」と思わせるほどにラク。感覚的には、「機械に流し込んだだけ(本当に他に何もすることなし)で、evernoteに格納されてタグ付けされ、書類をいつでもどこでも見る&検索すること*1ができる」という感じ。野球の継投なんかで言われる、「勝利の方程式」と言いたくなる。
 
 
この方程式の成立のカギは、(B)のサービスが、昨年の11月に始まったことに尽きる。実は(A)→(C)の環境は1年ほど前に出来ていたのだが、それだけでは活用は進まなかった。我が家の環境ではPC(laptop)とScannerを常時連携させてはいなかったため、そこの一手間が普段使いの妨げになっていた。この手のことは本当に「一手間」で気軽に使えるか使えないかが変わる。
 
この方程式が成立してからは、紙をScanSnapにガンガン流し込んむだけの作業でクラウド化終了、という快適さ。ちなみに1枚から3枚程度の普段使いの場合は、Scannable→(C)でやっており、これはこれで便利に活用している。
 
(A)と(C)はお金が掛かるけれど、私の場合にはこれは仕事柄必要な投資と割り切っている。
 
上記流れが出来るようになるためには、次の様なハードルをクリアする必要がある。「ScanSnapを買ってPCと接続し、PCから設定をする必要がある(さすがに買って即上記の方程式の状態が実現するということはない)」「クラウドでの管理に慣れている」「Evernoteに多少習熟しており、できればプレミアム会員である」。それぞれは、それほど簡単ではないかもしれない。僕の場合は数年かけてこれらを徐々にクリアして、上記の方程式にたどり着いた。
 
クラウド化の試みは(実は他にも色々やってる)は、仕事面に限らず、共働きで時間の足りていない我が家庭内の合理化・効率化にも大いに寄与している。
 
その辺はいつか研修のネタにでもしてみようかと思う *2
 
上記の情報や発想は、shio先生のblog発信を参考に勉強させてもらっている部分があります。感謝致します。
 

 

富士通 FUJITSU ScanSnap iX500 (A4/両面/Wi-Fi対応) FI-IX500A

富士通 FUJITSU ScanSnap iX500 (A4/両面/Wi-Fi対応) FI-IX500A

 

 

evernote.com

*1:私は、セルラーiPad使ってます。

*2:と思っていたら実際にそれに近いご依頼を再来月実施で頂きました

沈まぬアメリカ 拡散するソフトパワーとその真価/渡辺靖

 

沈まぬアメリカ 拡散するソフト・パワーとその真価

沈まぬアメリカ 拡散するソフト・パワーとその真価

 

願望まじりの「衰退論」とは裏腹に、いまだ世界はアメリカの魅力と呪縛から逃れられない。中国や中東へ積極的に進出する大学やウォルマート、アフリカのメガチャーチ……こうしたアメリカの「文化的遺産」が、政治・教育・宗教などあらゆる分野で世界中に拡散、浸透している。アメリカ研究の第一人者が現場を歩き、その影響を考察する意欲的論考。

 

上記の概要から面白そうだと思って読んでみた。雑誌への連載をまとめたもの、ということで覚悟していたよりはライトな感覚で読める。ビジネス機関と化した大学が貪欲にアブダビやら上海に進出する姿や、メガチャーチがアフリカでの同性愛反対運動に力を貸しているところなど、「そんなこともあるのか!」と勉強になった。

著者が本書最後に指摘しているように、アメリカ的価値観が世界に広がっていることは単純に「文化帝国主義」と「新植民地主義」というかたちで片付けられない何か、を持っている、と僭越ながら自分も思う。だからこそ、こういう本を読むことが面白い。

人を育てる名監督の教え すべての組織は野球に通ず /中島大輔

 

人を育てる名監督の教え すべての組織は野球に通ず (双葉新書)

人を育てる名監督の教え すべての組織は野球に通ず (双葉新書)

 

本書サブタイトルほどの インパクトは無かった。インタビュー集だが、プロとアマの両方を取り上げてくれているのが良い。率直に言って、一般人にとってはアマチュア指導者の方から学ぶべきところが多いように思う。

 

プロの監督で理論的に話すことができ、再現可能と言えるレベルの能力と理論を示せた人はほとんど居ない気がする。(もちろん、プロ野球始めスポーツは厳しい世界であり、机上の理屈の世界ではないのだろうけれど)

 

機会があれば、アマチュアの指導者についての記事や本をもう少し読んでみたい。

謹賀新年2016年

数年前には、年末にはその年の読書*1の総括などして投稿していたものです。しかし、2015年は何かとバタバタしたというか、ライフスタイルにおける時間配分が多少変わった上に年末年始が所用で立て込んだため、まとめを書く時間が取れませんでした。もう少し具体的に言うと、英語の勉強に一定の時間を投入し続けた一年であり、公私その他の業務の多忙さもそれなりにあるため、読書やBlogに割く時間の優先順位が下がってしまうという状況です。日本語の本をもっと読みたい、読まないといけない、という気持ちもあるのですが、もう少しの間、断腸の想い?で、日本語の本を読む量を意識的に減らして行こうかと考えております。
 

 
 
2016年は私的に大きな節目&転機となる年であります。生活そのものが明らかに変わる予定なため、このblogの運用も再考の時です。
 
しかしながら、このblogは自分の記録として(内容や形は変わるかもしれませんが)細々と続けていきたいと思っていますのでよろしければ時々覗いてやってください。
 
 
 
 
 

*1:2015年に読んだ中では「マイク・タイソン自伝」が強烈すぎました。ビジネス系は「HARD THINGS」が良かったです。

2015年、映画鑑賞生活のまとめ。

2015年の映画鑑賞生活回顧
 
1月「ベイマックス」
今のディズニーは横綱だな、と感じた。新宿ピカデリー。
 
2月「フォックス・キャッチャー」
これは、個人的に大好物のタイプな演出とテーマ。「ああ、映画を味わった」という感じ。これを見た渋谷のシネマライズが今年で閉館してしまったのは寂しい。
 
3月「アメリカン・スナイパー」
待ってましたのイーストウッド。映画評での論争も楽しめた。新宿ピカデリー。
 
4月「ウルトラマンギンガS 決戦ウルトラ10勇士」
息子と行ったが、ごめん、仕事で疲れてたのか寝てました。新宿ピカデリー。
 
4月「バードマン」
アカデミー賞を制した作品に敢えて言うことじゃないけれども、芸術性はベストだった。ストーリーのギミックもBGMも最高。
 
5月「シンデレラ」
初めて娘と一緒に行ったのでそれだけで5億点。改めて実感する「ディズニーは横綱」。吉祥寺オデオン。
 
5月「セッション」
キワモノ、的な作品ではあるのだけれど、やっぱり面白いですわ。見終わって語れる作品度No.1かも。東宝シネマズ歌舞伎町。
 
7月「グローリー 明日への行進」
これはここ数年のライフワークでもある「黒人差別の歴史映画を見ていこう」の一環。主題歌は最高。日比谷シャンテ(だったような記憶)
 
7月「インサイドヘッド」
ピクサーが復活した」と聞き、家族一同で参戦。娘がいいところ(ストーリー上泣くべき良いタイミング、という意味)で泣いた。吉祥寺オデオン。
 
8月「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
大分前から祭りが発生しているのは知っていたのだが、ようやく、、という感じで見て、「祭り」に納得した。インテリが作ったバカ映画最高。渋谷TOEI。
 
12月「007 Spectre」
クレイグボンドが大暴れするだけで満足ながら、ストーリーがちょっと薄い。前作「Skyfall」が恋しくなってまた見てしまった。立川の極上爆音上映で見た。
 
12月「クリード チャンプを継ぐ男」
前情報で、ハードルを上げて見に行ってしまったのが良くなかったのか、、、まあ普通の娯楽作です。六本木東宝シネマズ。
 
今年の個人的第1位は「フォックスキャッチャー」へ捧げたい。万人受けしない映画だとは思うけれど、これぞ「アメリカ」でしょう。一回目見たときは「この話どう着地するんだ!?」ということで緊張しっぱなしだったが、二回目見たときには、ジョン・E・デュポンという存在にアメリカそのものの矛盾を被せる監督の意図がよく分かった。
 
 
映画館的には、新宿ピカデリーが多かった。振り返ってみると、今年(ここ数年、自分のホームだと思ってた)バルト9新宿武蔵野館に行ってなかったのは意外。
 
また、少しだけ年間通して、ということで考えてみたい。
 
自分が見る映画は何らかの「闘い(戦い)」を描いているものが多い。あくまで個人的な嗜好として、戦いの理由・背景がある程度描けていると「良い映画だな」と思う。反対にその辺が希薄だと物足りなく感じてしまう。007の前作は(漫画的ではあるのだけれど)闘いの動機が良かった。今回はそこが弱かった。また、「クリード」も、「ロッキー 第1作」でスタローンが演じた「戦わざるを得ない若者」と比較すると、諸事情は分かるけれどちょっとそこが弱い。(そこが弱いところが現代の若者の実相だ、ということかもしれないが)。
今年良かった「マッド・マックス 怒りのデスロード」「セッション」「バードマン」等々、これらも主人公たちが「戦わざるを得ない理由」が伝わって来る作品だった、と思う。
 
映画を見る趣味を作ってから7年目が過ぎた。来年も今から楽しみな作品が多く、楽しみだ。