損したくないニッポン人 (講談社現代新書)/高橋秀実

 

 著者の高橋さんは前から好きなノンフィクションライター。タイトルも非常に惹かれるものがあったけれど、書き下ろしではなくて雑誌連載をまとめて新書にした、ということだった。もう少し理論的・深い考察があると良いと思った。

 

タイトルから、アダム・グラントの Taker,Matcher,Giverの話を思い出して勝手に高い期待した自分が悪いとは思うのですが。

子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く

 

子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く (できるビジネス)

子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く (できるビジネス)

 

プログラミングについて、言語そのものというよりも、そもそも前提となる知識が乏しいので、まずは読んでみた。(そんなに、プログラミング教育について前のめりなわけではない)

そんな読者である自分にとっては、概要を掴むことが出来て良い本だった。無料のWEB記事等でも本書くらいの情報はつかめるかもしれないが、紙の少し大判な本でまとめてパラパラしながら読める、というのはそれはそれでありがたい。

人生の特等席/ロバート・ロレンツ監督

 

人生の特等席 [DVD]

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 ミリオンダラー・ベイビー』『硫黄島からの手紙』など俳優、監督として活躍しているクリント・イーストウッドが、およそ4年ぶりに主演を務めた感動作。17年間イーストウッドからじかに映画制作を学んだロバート・ロレンツが監督を務め、疎遠だった父娘が仕事を通して絆を取り戻していく様子を描き出す。まな娘を演じるのは『ザ・ファイター』のエイミー・アダムス。不器用な父親と、長い間そんな彼を遠くに感じていた娘がたどる再生のドラマが胸を揺さぶる。

 
「普通」に良い映画だと思う。凝ったところはない*1が、そこが逆に良い。オーソドックスなストーリーにオーソドックスな編集。話のテンポも概ね良い。
 
俳優として、クリント・イーストウッドエイミー・アダムスジャスティン・ティンバーレイクの三名が絡むのを見ているだけでも楽しい。これ日本人の配役だったら、高倉健長澤まさみ、ジャニーズの誰か?みたいな感じかな、と思ったり。それにしても、クリント・イーストウッド翁、共和党支持っぽい白人老人をやらさせたら本当にハマり役。
 
原題「Trouble with the Curve」はこの映画を象徴したうまいタイトルで感心した。(ただし、邦題も理解はできる)

 

*1:この映画を見て、いつも自分は凝った映画ばかり見すぎていると反省した。

圏外編集者/都築響一

 

圏外編集者

圏外編集者

 

 

組織に所属せず、腕一本で勝負してきた独立独歩のプロフェッショナルである著者の金言が満載。

 

「高給を取っている大手出版社の社員ほど、飲み屋で会社や社会の文句を言っている」

「編集者とデザイナーは一緒に仕事をしないと。"宅ふぁいる便"じゃ伝わらない」

 

などなど。

 

自分自身の分野は違うけれど、伝わってくるものがありました。

ScanSnap ix500+Scansnap Cloud

クラウド化・ペーパーレスに興味のある方への共有。
 
これまで色々家庭内のクラウド化・ペーパーレス化を研究してきた。
 
結果、昨年(2015年)末、
 
(A)ScanSnap ix500を使い
(B)Scansnap cloud経由で自動的に
(C)Evernote Premiumに連携させる
 
という仕組みが昨年末に我が家内で成立した。
 
この流れが、「これが最終究極形ではないか?」と思わせるほどにラク。感覚的には、「機械に流し込んだだけ(本当に他に何もすることなし)で、evernoteに格納されてタグ付けされ、書類をいつでもどこでも見る&検索すること*1ができる」という感じ。野球の継投なんかで言われる、「勝利の方程式」と言いたくなる。
 
 
この方程式の成立のカギは、(B)のサービスが、昨年の11月に始まったことに尽きる。実は(A)→(C)の環境は1年ほど前に出来ていたのだが、それだけでは活用は進まなかった。我が家の環境ではPC(laptop)とScannerを常時連携させてはいなかったため、そこの一手間が普段使いの妨げになっていた。この手のことは本当に「一手間」で気軽に使えるか使えないかが変わる。
 
この方程式が成立してからは、紙をScanSnapにガンガン流し込んむだけの作業でクラウド化終了、という快適さ。ちなみに1枚から3枚程度の普段使いの場合は、Scannable→(C)でやっており、これはこれで便利に活用している。
 
(A)と(C)はお金が掛かるけれど、私の場合にはこれは仕事柄必要な投資と割り切っている。
 
上記流れが出来るようになるためには、次の様なハードルをクリアする必要がある。「ScanSnapを買ってPCと接続し、PCから設定をする必要がある(さすがに買って即上記の方程式の状態が実現するということはない)」「クラウドでの管理に慣れている」「Evernoteに多少習熟しており、できればプレミアム会員である」。それぞれは、それほど簡単ではないかもしれない。僕の場合は数年かけてこれらを徐々にクリアして、上記の方程式にたどり着いた。
 
クラウド化の試みは(実は他にも色々やってる)は、仕事面に限らず、共働きで時間の足りていない我が家庭内の合理化・効率化にも大いに寄与している。
 
その辺はいつか研修のネタにでもしてみようかと思う *2
 
上記の情報や発想は、shio先生のblog発信を参考に勉強させてもらっている部分があります。感謝致します。
 

 

富士通 FUJITSU ScanSnap iX500 (A4/両面/Wi-Fi対応) FI-IX500A

富士通 FUJITSU ScanSnap iX500 (A4/両面/Wi-Fi対応) FI-IX500A

 

 

evernote.com

*1:私は、セルラーiPad使ってます。

*2:と思っていたら実際にそれに近いご依頼を再来月実施で頂きました

沈まぬアメリカ 拡散するソフトパワーとその真価/渡辺靖

 

沈まぬアメリカ 拡散するソフト・パワーとその真価

沈まぬアメリカ 拡散するソフト・パワーとその真価

 

願望まじりの「衰退論」とは裏腹に、いまだ世界はアメリカの魅力と呪縛から逃れられない。中国や中東へ積極的に進出する大学やウォルマート、アフリカのメガチャーチ……こうしたアメリカの「文化的遺産」が、政治・教育・宗教などあらゆる分野で世界中に拡散、浸透している。アメリカ研究の第一人者が現場を歩き、その影響を考察する意欲的論考。

 

上記の概要から面白そうだと思って読んでみた。雑誌への連載をまとめたもの、ということで覚悟していたよりはライトな感覚で読める。ビジネス機関と化した大学が貪欲にアブダビやら上海に進出する姿や、メガチャーチがアフリカでの同性愛反対運動に力を貸しているところなど、「そんなこともあるのか!」と勉強になった。

著者が本書最後に指摘しているように、アメリカ的価値観が世界に広がっていることは単純に「文化帝国主義」と「新植民地主義」というかたちで片付けられない何か、を持っている、と僭越ながら自分も思う。だからこそ、こういう本を読むことが面白い。

人を育てる名監督の教え すべての組織は野球に通ず /中島大輔

 

人を育てる名監督の教え すべての組織は野球に通ず (双葉新書)

人を育てる名監督の教え すべての組織は野球に通ず (双葉新書)

 

本書サブタイトルほどの インパクトは無かった。インタビュー集だが、プロとアマの両方を取り上げてくれているのが良い。率直に言って、一般人にとってはアマチュア指導者の方から学ぶべきところが多いように思う。

 

プロの監督で理論的に話すことができ、再現可能と言えるレベルの能力と理論を示せた人はほとんど居ない気がする。(もちろん、プロ野球始めスポーツは厳しい世界であり、机上の理屈の世界ではないのだろうけれど)

 

機会があれば、アマチュアの指導者についての記事や本をもう少し読んでみたい。