スーパーの女/伊丹十三監督
スーパー大好き主婦が幼馴染の経営するダメスーパーマーケットを立て直していくというサクセスストーリーである。(ウィキペディアより)
1996年の映画で、当時からかなり評判が高かったようだが、最近、初めて見た。
経営改革モノ、としてとても高いリアリティ*1がある。業界関係者からの評価も高かったようだ。この点は既に多くの人に語りつくされている映画のようなので、そのあたりは他のレビューを見ていただくこととしたい。
人事の側面からは最後の方にあったこんな論争が心に残った。
「仕入れ段階での買い叩きに頼り、安かろう悪かろうで伸びている店」と「今は業績が良くないが、顧客志向に舵を切り従業員が工夫している店」がある。
あなたは人として、どちらのお店で働きたいの?という論争だ。
直感的には「そりゃ後者だよね」となるわけだが、現実に「家電量販店」と「街の電器屋さん」に敷衍して、経済的にリアルに考えてみれば、これはそんな単純な問題ではない。
だからこそ、どうなの?という問いが重たい。
極めて映画的な演出の場面ではあったけれど「働く」ということの本質を突きつけている気がして「さすが監督・脚本、伊丹十三」と唸った。
有名な俳優が沢山出ており、今から15年前なので皆若い。その面でも楽しめる。