英語と運命/中津燎子

 

英語と運命―つきあい続けて日が暮れて

英語と運命―つきあい続けて日が暮れて

 

 

信頼する情報源であるブログで推薦されていたのを見て迷わず購入。期待に違わずとても面白い本だった。今年読んだ中でも五本指に入る傑作。

内容の紹介については、そのブログの記事に譲りたい。(これ以上の紹介は自分には書けない)

 

brevis.exblog.jp

 

2005年に著者が70才代後半で回顧録として記した本書。

著者の日本人の英語についての問題意識は「全く違う発音体系であるということを理解していない(特に強烈な破裂音である子音)」と「闘争的言語、スピーチ、自己主張というカルチャーを理解していない」ことの二点だ。

 

前者については、現在は多少は状況が改善されているのではないかと、希望的観測をしたい。著者が活躍した時代は、音声メディアも限られ「カタカナ英語」が蔓延した時代だっただろうから、著者の憤り・危機感は強烈だっただろう。

一方、後者については今も大して変わっていないような気がしてならない。

 

それにしても前半の生い立ちの記の部分は強烈に面白く、この女性の人生を「NHKの朝の連続テレビドラマ小説」の題材にできないか?と思いながら読んだ。中身もさることながら、文章にも著者のvibesがありとても読ませる。

そして、個人的には先送りにしてきた「英語の発音」の勉強(例によって自習)を真面目にやろう、という動機を得ることができた。積ん読だったAmerican Acccent Trainingに着手した。

すでに英語学習界では有名な本(&著者)なのだと思うが、英語の勉強をガチで進める人にとっては必読の一冊だと思う。