[経営]週刊ダイヤモンド6月21日号「中高一貫校ランキング」

週刊 ダイヤモンド 2011年 6/25号 [雑誌]

週刊 ダイヤモンド 2011年 6/25号 [雑誌]




ありがちな「東大合格者数」みたいなランキングが掲載されていない一方で、工夫された切り口での各種ランキングがあって、読んでいて面白かった。それから世田谷学園はじめとして、近代的な(ある意味では企業的な)マネジメントに力を入れて、生徒を伸ばしている学校があることを知って勉強になった。「灘高で医学部志望が多い理由」等のトリビアも面白い。




ところで、中高一貫校の経営改革は「成果を問うのに妥当な年数として6年は必要」と言える。中学一年生を迎え入れて、卒業生や進学実績が出るまでの6年。(大学進学実績が成果、という見方は皮相なものではあるが、それは置くとして)


本誌では「校長」のリーダーシップが学校に取っては決定的に重要、という指摘をしており、「校長が交代した学校は、実績がその数年後に上がったり下がったりするから要注意だ」とも書いてあった。確かにその通りで、この論理で行けば、今実績が出ている高校でも、その時点を見て進学を薦めるのは間違い、ということになる。


「仕込んだ成果は、将来に出る」と書いてみれば当たり前のことだが、企業で働いていると、意外にこれを見失う。常に、「今が悪いのは数年前の努力の欠如、今が良いのは数年前の仕込みの成果」と忘れずに考えたい。とはいえ、今成果が出ないと、トバされる、干される、給料が下がる、という会社も多い。また、「今成果が出ないのは将来への仕込みです」という論理が評価される側の言い訳として使われるケースもある。


この矛盾をどうするかが課題だ。難しく言えば「意思決定のタイムホライズン」というテーマとなる。これには前から関心を持っているので、そういう視点からも興味深く、本誌に掲載されている各学校の取り組みを読んだ。(大分、話が横道へそれてしまった)