町山智浩氏が語る「通過儀礼」「自立」「召命」(TBSラジオ ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフルPodcastより)


5年くらい前からだろうか、ラジオ(TBSラジオ ストリームですね)で「アメリカ在住の映画評論家町山さん」という名前と音声コラムを聞くようになって、この人面白いな、と意識して聴くようになり、著作も結構購入して読むようになった。

彼の映画批評、アメリカ批評はとても勉強になるのだが、ついこの前、その原理原則をコンパクトに語った特集があり、自分にとっては大体知っていたことだったが、改めて聞いてとても面白かったのでご紹介。

「推薦図書特集」という50分ほどのラジオのコーナーで、町山氏がメインで話すのは後編。できれば前編から聞くと面白い。


前編(柳下さんの話)

http://www.tbsradio.jp/utamaru/2012/04/331_feat_fbb.html


後編(町山さんの話)

http://www.tbsradio.jp/utamaru/2012/04/331_feat_fbb_1.html


後編は文字起こししたいくらいの内容だが、音声の方が面白いだろうと思いリンクに留めます。。

通過儀礼、自立、人がヒーローになるとき・・・といった内容を神話学や物語構造分析の基礎知識と共に話されている)





以下、自分の仕事に引きつけて少し書いてみる。


自分は仕事柄、良い仕事人、管理職とは何か、ということを少し俯瞰的に考えることが多いわけだが、この通過儀礼論は、そこに大いに関係のある内容のように感じた。


やっぱり人生前半(キャリア前半)において「通過儀礼」⇒「自立」に失敗してしまった人*1というのはその後何かと複雑な人生を送ってしまうように思う。


就職活動も通過儀礼の一つだけど、これは、「自分で道を確信する」というものではなくて「相手に選んでもらう」ものだから、少し通過儀礼としては弱い。会社にも入社初期にいろいろな通過儀礼が用意されているが、それも所詮は組織に適応して欲しいがためのものであって、社員に自立を求めてのことではない。


と、すると社会人初期に自分を育ててくれた会社から離れて転職するとき、あるいは独立するときが、真の自立なのかな、とも思うが、実はどっこい、そういう方のサンプルを見ていても必ずしも自立しているとは思えない場合も多い。難しいものだ。

*1:私も決して上手く行ってません。だからこそ感じる、という面があります