ゼア・ウィル・ビー・ブラッド/ポール・トーマス・アンダーソン監督(2007)
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2012/02/08
- メディア: DVD
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今度、この監督の「ザ・マスター」という映画が公開される。これは見たいので、予習として。
それから、本作には先のアカデミー賞で主演男優賞を獲ったダニエル・デイ・ルイスが主演しており、それも見てみたい。
以上2つの理由からDVDをレンタルしてきた。あまりその他の予備情報は持ち合わせずに見た。
そしたらこれが、自分にはすごくハマって、まさにこの作品に「打たれた」という感じ。主役の演技も確かに良いが、それ以上にこのテーマ性、映画らしさが素晴らしい。一作見ただけでこの監督の半端じゃない才能を確信してしまった。
もともと僕は、アメリカ人自身がアメリカの狂気を批判的に映画化する、という作品*1が好きなのだが、まさにこれはそういう一本。
資本主義(石油)と宗教というアメリカの二大原動力を描ききり、その行き着く先が主人公の最後のセリフ、そしてそこからのタイトル音楽(この選曲と出し方)、とにかく最高。
旧約聖書の十戒の一つから来ているという、タイトル(やがて血が訪れる/そこには血があるだろう、血と石油が掛かっている)も非常に象徴的で、素晴らしい。変な邦題をつけなかったこの映画の配給会社に拍手。
*1:たとえば、「ノー・カントリー」であったり、最近の「ゼロ・ダーク・サーティ」であったり。