母子寮前/小谷野敦
色々忙しく、読書時間が削られている最近なのだが、たまには純文学を読みたい、ということで。
この作品、少し前に芥川賞にノミネートされており、その時から読みたいと思っていた。ちなみに、小谷野敦氏の小説を読むのは初めて。小谷野氏について知っていることと言えば、旺盛な評論活動を展開している、色んなところでConflictを起こす方である*1、ということくらい。
本作は「母が癌を告知されて死ぬまでの自分と家族」を描いた私小説。
著者の歪みを歪みとして表現しているところが良いです。もちろん、作家としての技巧も凝らされているのでしょうが。
続編的作品とされている「ヌエのいた家」も是非読みたい。
*1:日本人の同調主義に批判的な私にとってこれは単純に非難すべきことではない。