組織人事的に気になるピクサーアニメーションスタジオ
ピクサーといえば、トイ・ストーリーやファインディング・ニモなどで知られるCGアニメーションスタジオだ。
同社の凄いのは、典型的なハイリスク・ハイリターンビジネス(数作に1作当たれば御の字)であるハリウッド映画において、ほぼハズレなく、毎回上質かつ商業的にも成功する作品を出しているということである。
これはちょっと「あり得ない」ことで、映画ファンよりも、ビジネスパーソンこそ、その秘訣にもっと注目した方が良いと思い、最近、二冊の本を読んだ。
- 作者: デイヴィッド A.プライス,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/03/20
- メディア: 単行本
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ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたか
- 作者: エドキャットマル,小西未来
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2009/07/24
- メディア: 単行本
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簡単にまとめる事は難しいし、それをするべきでもないと思うので、ピクサー映画が好きな方にはぜひ上記を読んでみて欲しい。
誰も成功すると思っていなかった1970年代の創業、途中から会長になったスティーブ・ジョブズの無茶苦茶ぶり、エンタテイメントビジネスの巨人ディズニーとの提携と闘い、チーフクリエイティブのジョン・ラセター氏の数奇なキャリアなど、面白い内容満載です。ビジネススクールのケーススタディ的に読める部分も多い。
ジョン・ラセター氏について。
ディズニーの創業者が作った大学(カルアーツ)でアニメーションを学び、憧れのディズニーに就職するも、途中で解雇されてしまう。ピクサーに移籍して短編CGアニメで世間に頭角を現したら、ディズニーから高年俸での引き抜きオファーをもらうが、それを断って、トイ・ストーリーで成功を収める。(トイ・ストーリーは、ディズニーとピクサーの提携により制作された作品。ディズニーは、実績のないピクサーに横暴な契約を押し付けて制作過程からピクサーを小突き回し続けた)。その後もヒット作品を連発するピクサーとジョン・ラセター氏。一方、ディズニーは、創業者の魂を忘れてMBA流経営に堕落し、映画で失敗を重ねていた。最終的にピクサーは株式交換でディズニーの完全子会社になるが、ジョン・ラセター氏はこれを機に、ディズニーのチーフクリエイティブオフィサーに就任し、低迷するディズニーアニメのテコ入れに乗り出す。(その第一作がVOLT(ボルト)ですね)
というお方です。上は実話です。より詳しくはここら。
この話、を映画にした方がいいんじゃね?的な話ですよね。