パッション/メル・ギブソン監督/2004年


パッション [DVD]

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◇アマゾンより引用

メル・ギブソンが構想12年、私財を製作費に充て、イエス・キリストの最後の12時間を、できる限り史実に従って描いたという渾身の一作。神を冒涜しているという罪で捕らえられたイエスが、ローマ帝国の総督ピラトのもとに連行される。ピラトは民衆の声に押され、イエスを十字架に掛けると判決を下す。イエスは拷問を受けた末に、十字架を背負ってゴルゴダの丘へと歩いていく。
衣装やセットで紀元1世紀のパレスチナを再現するのはもちろん、アメリカ映画としては珍しく、全編が当時の言語(アラム語ユダヤ語)で展開される。さまざまな器具を使った拷問シーンや、手足に釘を刺す十字架への張り付けは、目を覆いたくなるほどの生々しさだが、より恐ろしいのは、噂や表面的な事実によって、ひとりの人間を標的にする群集心理。これは、現代のわれわれの姿と二重写しになっていく。イエス役のジム・カヴィーゼルは、悲しみとゆるしの両方をたたえた表情が絶品。監督ギブソンのパワフルな演出力が画面の隅々まで発揮され、ゴルゴダを俯瞰するカットなど映像もすばらしい。バチカンユダヤ人社会などに波紋を与えた本作だが、むしろキリスト教に疎い日本人の眼から観た方が、映画としての感動と衝撃をストレートに味わえるかもしれない。(斉藤博昭)


聖書を(ごく一部ではあるけれど)読めたので、その勢いで、キリストの最後の12時間をリアルに描いたという触れ込みのこの映画もDVDで見た。確かに福音書の場面がそのまま随所に映画に出てくるので頭に入ってくる。(逆に、その前提が無い場合には、意味不明なシーンも多いだろう)。かなりエグイ描写があるし、映画としてそれほど面白いわけではないので、あまりオススメできない。


見てみようかなと思ったのはWIKIPEDIAのこの映画の紹介にあった

ヨハネ・パウロ2世も試写を視聴し、周囲から「It is as it was(全て真実)」とコメントがあったと発表されたが直ちに打ち消された。教皇の秘書は後日、「確かに教皇はそう言われたが、単なる個人的な感想をメディアがおおげさに取り上げ、その結果映画の宣伝に誇大に使われるような恐れがあっては困るので否定した」と明らかにした


という記述に興味を惹かれたから。

カトリックの熱烈な(町山智浩氏のブログによれば、「原理主義的な域に達しているという」)信者であるメル・ギブソン、私財20億もつぎ込んで、よくこんな映画作るな〜と思った。同氏によれば、この映画のリアルさは、カトリック的解釈によるリアルさであって、科学的に分かってきているリアルさとは違うとのこと。確かにそうなのだろう。科学的考証の方も色々今後勉強してみたい。