マイレージ・マイライフ/ジェイソン・ライトマン監督

監督: ジェイソン・ライトマン

出演: ジョージ・クルーニーヴェラ・ファーミガアナ・ケンドリックジェイソン・ベイトマン / ダニー・マクブライド /メラニー・リンスキー/エイミー・モートンサム・エリオット /J・K・シモンズ

あらすじ:企業のリストラ対象者に解雇を通告する“リストラ宣告人”の仕事で年間322日間も出張しているライアン・ビンガム。自らの講演でも謳っている“バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない”をモットーに人間関係も仕事もあっさりと淡泊にこなし、結婚願望も持たず家族とも距離を置いたまま、ただマイレージを1000万マイル貯めることが目下の人生目標となっていた。だがそんな彼も、2人の女性と出会ったことで人生の転機が訪れる。

このブログのテーマからして、紹介するのに相応しい映画と言えます。

よく、「アメリカは解雇が自由だ」というような一般論があるのですが(そのような言い方が正しいのかは別問題として)、アメリカにおけるアウトプレースメント会社の活動がよく分かる映画となっています。

とはいえ、別にドキュメンタリーでも陳腐なドラマでもなく、キャリア(仕事)と家族へのコミットメント、という事をテーマにしつつ、抑制された演出と脚本*1の中に、沢山の上質なアイロニーが散りばめられていて、大人向けの良作となっています。アカデミー賞作品賞にもノミネートされたほど、評論家筋からの評価も集めた映画です。

とはいえ、キャリアと家族がテーマということで、30代独身者が見ると、結構「鬱」映画になるかもしれない、ので安易に推薦しまくるのも難しい面あるでしょうか。


あとは、ジョージ・クルーニーの色気がすごいです。カッコ良すぎ。チョイ悪おやじ、とかいうレベルじゃぁないですね。。

日本にも、垣根涼介氏の「君たちに明日はない」という同じテーマの小説がありましたね。


君たちに明日はない (新潮文庫)

君たちに明日はない (新潮文庫)

*1:DVDの特典映像で「撮影したけど削除したシーン」への監督コメンタリーを聞くと、本当によく考えて細かいトーンを調整しているんだな〜ということがよくわかります。使わなかった「引越しシーン」は、やはり入れない方が、この映画らしい大人感に繋がると納得しました。