逆境は飛躍のチャンス 妻を亡くしたシングルファーザー 48歳で起業する/澁谷耕一
- 作者: 澁谷耕一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/07/08
- メディア: 単行本
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AMAZONより引用
大学時代に知り合ったリッキーと結婚し、お互いが仕事に、学問に、思い切り自分の能力を発揮していた―― そんな幸せで順風満帆だった人生が、ある日突然、暗転する。 最愛の妻・リッキーがガンに侵され、45歳の若さで亡くなってしまうのだ。小中高3人の子どもたちを残して……。 絶望の淵から立ち直った著者は、銀行員という安定した職を辞し、独立・起業の道を選択する。大切な子どもたちを、自らの手で守り育てたいという願いからだった。 48歳、3人子持ちのシングルファーザーの挑戦がここから始まる。 銀行と企業を結びつける新しい事業に取り組みながら、子どものお弁当作りから塾の送り迎えまでこなす。好きな仕事をあきらめず、子育ても充実させる――新しい理想的な父親像がここにある。 逆境に出遭ったとき、打ちのめされてしまうのか、人生の転機と捉え、新しい世界へと踏み出すのか――壁にぶつかっている人たちに、勇気を与えてくれる一冊!
感動して得るものが大きい本だった。
本書の内容は上に引用の通り。佐々木常夫ブームのこの世の中、本書ももっと売れる可能性があるし、そうなったら良いと思うのでご紹介。
僕も現在、共働きで子どもが二人居る。僕はまだまだ若輩者であるし、奥様を亡くされた著者と比較するのは大変おこがましいが、属性的に著者と重なる部分が結構ある。
僕は、共働き夫として、家事を割とやっている方だと自負している。その僕が家事をやっていてよく感じる感覚を、筆者は本書で見事に表現してくれた。
著者は本書で言う。
家事は永遠に繰り返しの続く際限の無い修行のようである。仕事が終わってから行なう家事(あるいは出勤前の家事)は、つらい事この上無い。でも、子供との絆を作る一番手っ取り早い手法である。と。
本当にそうだと思う。
うちの長男が今まで大きくなるにあたって摂取してきた料理の40%くらいは、自分が作ったものだと思う。それはちょっとした自信になる。(とはいえ、母乳にはかないませんが。)
更に著者は言う。
家事をお金でアウトソーシングすることも出来るけど、でもなにか、敢えて家事をやっていることで、生活の手触りから遊離せず、謙虚さを保つことができるような気がする、と。
これも全く同感で、著者が巧みに言語化してくれて、腑に落ちた。特に自分のような書類と概念を振り回す仕事をしているものにとって、この感覚は大事だと思う。
いずれにしろ、家族・家事・起業に焦点を当てた本書は今の自分にとってすごく面白かった。
いつか、著者の話を直接伺ってみたい。講演会などの機会を探そうと思う。